部活動の地域移行で注目 須賀川アカデミックバスケットボールクラブ 地元企業とともに育成目指す

スポーツ教育須賀川市

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    ウオーミングアップでシュート練習する子どもたち
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    「ドレミのまほう」を披露するマーチングメンバー
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    パートナー企業からオリジナルTシャツを受ける代表者たち

 部活動の地域移行を契機に、子どもたちの成長や活躍の場として地域の受け皿をどのように整備するかが全国的な課題となっている。そうした中で、設立から50年以上の歴史を持つ須賀川バスケットボールスポーツ少年団は、「須賀川アカデミックバスケットボールクラブ(SABC)」の名称で6年前から再スタートし、子どもたちの未来を応援する地元企業の支援を受け、幼稚園から中学生まで幅広い年代の活動を支え、注目を集めている。
 SABCの名称変更の背景には、高校生を視野に入れた幅広い世代や、市内・近隣自治体を含む広いエリアから子どもたちを受け入れた活動には制約があったためと鈴木利弘代表は説明する。
 そのため、大会出場規定などを満たすため須賀川バスケットボールスポーツ少年団自体は維持しつつも、志を継ぐ新たな母体としてSABCを設立した。
 活動理念として、目先の勝利にこだわらず、自分の持つ力を100%発揮するためのプロセスを重要視し、そこから生涯忘れることのない「内なる勝利」を目指すことを掲げる。
 現在は幼稚園年中組から中学3年まで約50人が指導を受けている。
 昨年からは地域のクラブとしてさらに一歩進め、子どもたちを応援する「パートナー企業」と連携を始めた。
 今年はアルファ電子、ジーニアス、鈴弥洋行、内藤酒店、アスフク、プロエージェントオフィス、渡辺建設、杜のあぶりや真仁の8社が支援を名乗り出ており、来年はさらに増える見込みだという。
 パートナー企業から受けた支援で、プロチームのように各企業名を入れたオリジナルTシャツを作成し、チーム一丸となる機運を高めるほか、料理教室やプログラミング講座、保護者向けセミナーなど、バスケットボールだけにとらわれない幅広い経験の機会を提供し、SABC独自のユニークな取り組みを進めている。
 バスケットボールでも確かな指導力を持つ7人のスタッフが個々の特性に合わせたアドバイスをするほか、これまでの人脈を活かし、プロ選手や有名な外部コーチを招いて指導する機会も設ける。
 取り組みは保護者からも評判となり、入団者が増えただけでなく、須賀川一小マーチングバンド部の地域移行の際に相談を受け、姉妹団体の須賀川アカデミックマーチングバンドとしての再スタートをサポートした。
 今月9日には初の合同イベントをスポーツ会館で実施し、パートナー企業の代表者らが「できることをサポートしていきたい」「全ては経験であり、失敗はない」「多くの友達をつくり、一生懸命にやってよかったと思えるよう頑張って欲しい」など激励し、今年のオリジナルTシャツを授与した。
 須賀川アカデミックマーチングバンドが感謝の気持ちを込め、「ドレミのまほう」などの演奏演技を披露し、SABCのメンバーも楽しく真剣に練習する姿を大人たちに見せた。
 昨年からSABCに所属する松川睦月さん(仁井田中2年)は「小学生から始めたバスケットボールを続けたいと入団しました。ここで技術を磨いて、高校で活躍したいです。学校の部活との両立は大変なところもありますが、バスケットボールが好きなのでこれからも頑張りたいです」と語った。
 SABCは入団者やサポート企業を随時募っている。詳しくはHP(https://www.sabc-chronus.com/)まで。

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