きうり天王祭 4年ぶりの宵祭り14日 キュウリ2本忘れずに

イベント文化須賀川市

 須賀川の盛夏到来を先駆けるきうり天王祭の宵祭りは14日、南町の東北電力須賀川電力センター前に御仮屋を設置して4年ぶりに盛大に開かれる。コロナ禍前の祭り当日は夕方をピークに市内外から6万人を超える来場者が手にキュウリを持ち寄ってにぎわった。
 きうり天王祭は須賀川市三丁目町内会を中心に組織する実行委員会(渡邉達雄委員長)が主催し、270余年の歴史と伝統を脈々と受け継いでいる。
 江戸時代に流行した疫病を鎮めるために、同地の岩瀬神社に祀られる祭神・牛頭天王に当時から特産品だったキュウリを奉納すると平穏が戻ってきた伝承が祭りの起源とされている。
 きうり天王祭は14日の宵祭りをメーンに、13日は天王さまを御仮殿にお移しするお迎え祭りを催し、同日に御仮屋設置、午後6時からご祈とう、午後7時から御神輿渡御を披露する。
 宵祭り本番は午後1時から午後10時まで県道須賀川・三春線の並木町~本町交差点区間と接続する幹線道路を交通規制する。
 御仮屋にキュウリ2本を持参・奉納して、交換した1本を食べると病気にかからないと云い伝えられ、会場に並ぶ多くの露店とともに人出でごった返す。
 宵祭り終了後の15日はお送り祭りで、午前10時からご祈とう、午後7時から御神輿渡御を予定している。
 コロナ禍の3年間は町内平穏と疫病退散を願う神事のみを粛々と行い、伝統継承に努めてきた。
 感染法上分類の5類移行を受けての宵祭り復活に渡邉実行委員長は「今年はいろいろなことを乗り越えて無事にきうり天王祭を復活させたい。町内だけでなく多くの市民の方々からも『なんでかんで祭りをやりたい』の声を多数いただき、安全安心に特に努めて開催したい」と意気込んでいる。
 きうり天王の祭神である牛頭天王は初詣や夏詣などでおなじみの茅の輪の起源となった説があり、雨や水に由来するとのいわれもある。宵祭り当日は小雨が降る予報もあり、キュウリとともに雨具の用意をすると万全な態勢で4年ぶりの祭りを存分に楽しめそうだ。

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