十両昇進を二所ノ関親方と報告した高橋さん(中央) 笑顔で握手などに応じる高橋さん 昇進を祝う懸垂幕前で記念撮影する高橋さん
十両昇進が決まった須賀川市出身の高橋さん(24)=本名高橋優太、二所ノ関部屋=は27日、二所ノ関寛親方(元横綱稀勢の里)と市役所に橋本克也市長を表敬訪問し、「いずれ三役、横綱となって須賀川に戻り、恩返しをすることが一番の目標」と力強く語った。
高橋さんが市庁舎3階に現れると、職員らから温かい拍手が沸き、お辞儀をしながら応えていた。
橋本市長は「本市は円谷英二監督の故郷でもあるが、ウルトラマンの魅力は強さだけではない。高橋さんにはそんな『リアルヒーロー』として地域の子どもたちに夢を与えてほしい」と期待を寄せた。
二所ノ関親方は「高橋が十両を決めた英乃海戦はこれぞ相撲という素晴らしい取り組みだった。さらに場所ごとに成長を続けており、これからより技術的なことを身に付けさせることで、すぐ上位と組むほど昇進できる逸材だ」と評した。
また「自分も地元に後押ししてもらいながら横綱になった。(須賀川市にも)高橋の支えとなっていただけるようぜひお願いしたい」と述べた。
マゲについて「大銀杏にはもう2、3場所かかるが、これもスピード出世の特権」と笑った。
市と夢みなみ農業協同組合は須賀川産のキュウリ、モモ各5㌔、コシヒカリ10㌔を贈った。
市長との懇談後、高橋さんは庁舎内の市民や職員から握手や記念撮影などに快く応え、人気を集めていた。
報道陣の取材に「名古屋場所はこれまでとは相手のオーラも異なり、緊張が毎日続いた。特に十両相手はさらに雰囲気が変わったが、得意の右四つで勝てたことが自信につながった」と振り返った。
相撲を始めるきっかけとなった祖父祥武さんに場所後に連絡し、泣いて喜んでくれたとして「自分は小さい頃から『おじいちゃん子』だったので、一番うれしい終わり方ができた。以前祖父から言われた『相撲を見るために頑張れている』という言葉がずっと残り、これからも恩返しを第一に頑張りたい」と笑顔を浮かべた。
料理好きの面もあり、「同部屋の大の里が場所中に調子を崩してしまったので、力になろうとリクエストに応えてスタミナ丼を振る舞い、最終戦を勝利で終えた。大の里の頑張りが、自分の励みにもなった」と明かした。
9月から十両での取り組みについて「初心を忘れず、勝ちにこだわりすぎず、自分の相撲を取り切る」と意気込む。
26日から28日まで実家に帰省したが、「お世話になっている人にお礼回りをしている。また自分へのご褒美として白河ラーメンの食べ歩きを楽しんでいる」と照れた表情を見せた。
市民には「高橋という本名で須賀川市を伝えていき、もっと昇進して良い報告をし、恩返しできるよう頑張りたい」とコメントした。
なお四股名は節目の時期に決める見込み。
市や商工会議所、夢みなみ農業協同組合などは後援会設立に向け、8月上旬に準備会を開く予定。
また市は昇進決定を祝う懸垂幕を市役所とtetteに9月8日まで掲げている。