将来の国史跡指定へ 阿武隈川流域 古墳群調査指導委員会

文化須賀川市

  • 画像
    今年度事業計画など確認した委員会

 須賀川市指定史跡団子山古墳を含む阿武隈川流域古墳群の第1回調査指導委員会は2日、市立博物館で開かれ、今年度以降の調査計画などで意見交換した。
 阿武隈川流域に分布する団子山・仏坊・大仏・大仏横穴墓など複数の古墳群調査を、今年度から国庫補助金(文化庁文化財補助金・市内遺跡発掘調査)で実施するため、団子山古墳調査指導委員会を受け継ぐ本委員会を設置した。
 橋本克也市長が藤澤敦東北大総合学術博物館長、菊地芳朗福大行政政策学類教授、柳沼賢治郡山市文化振興課歴史情報・公文書館設置準備室主事に委嘱状を交付した。
 阿武隈川流域に分布する古墳群は、これまでの調査で4世紀から7世紀までと認められ、特に6世紀中頃から7世紀にかけて、東北地方を代表する横穴式石室を持つ古墳が築造された地域として知られる。
 これから貴重な遺跡の一体的な保護と活用を進めるため、遺跡の実態把握などに必要な調査を行い、最終的には国史跡指定に向けて必要なデータの収集や関連資料の分析に取り組んでいく。
 今年度は昨年度に引き続き、大塚古墳の調査をする予定で、福島大が実施主体となった調査では、墳頂トレンチと北トレンチの調査を実施し、墳頂部は後世の盛土、北トレンチは古墳の周溝(幅7㍍)をそれぞれ確認し、直径約46㍍程度の円墳と推測された。
 今年度は今月20日から9月10日の予定で、墳端・墳丘・周溝・墳形・石室の把握を目標にトレンチを設定して調査する。
 現在は福島大行政政策学類と「阿武隈川流域古墳群発掘調査に関する覚書」の締結や地権者の承諾、市会計年度任用職員としての学生の雇用に向けた準備を進める。

イベント情報バナーイベント情報バナー