美しい草花を描いた作品と作者の安部さん
須賀川市北山寺町のギャラリーマスガは27日まで郡山市在住の版画家・安部直人さんの「銅版画展」を開いている。身近な草花や自然を黒が印象的な奥深いメゾチント技法で描いた75点を展示した。
安部さんは会津塩川町出身。東京版画研究所で版画の基礎を学び独学で技術を磨いた。ポーランド・クラクフ国際版画トリエンナーレ入選をはじめ、福島の新世代96展(県立美術館)、光陰一刻・四彩(喜多方市美術館)など幅広く活躍する。マスガでは約2年に1度のペースで個展を開き、今回は昨年に続き14回目となる。
印象的な黒の世界に色彩を加えたカラーメゾチント作品に挑戦し、独自の物語と華やぎを表現している。
芥川龍之介作・蜘蛛の糸の一場面を再現した「蓮」、命の輪廻転生を描いた「ほおずき」シリーズ、丸々と実ったスイカと多彩な小動物で季節を表現した「夏の座」など、植物への熱い思いを描いた20年来の作品が並ぶ。
昨年の個展から続く作者自身の内面や独自の世界を描いた抽象画なども幻想的な空間を演出している。
会期中は作者が全日在廊予定。開場は午前10時から午後6時まで。22日定休。問い合わせはマスガ(℡ 0248-76-7511 )まで。