水不足が水稲や果樹に影響 水田ひび割れ、品質低下懸念 猛暑続き、降水量も半減

自然農業須賀川市

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    貯水率低下で供給停止になった羽鳥ダム
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    水不足で乾燥し、ひび割れが発生した水田

 須賀川市や鏡石町の一部の水田は連日の猛暑や水不足などが重なり、乾いた状態のひび割れが起き、深刻な状況になっている。須賀川市や鏡石町など市町村に農業用水として供給している天栄村の羽鳥ダムは降水量不足により貯水率が低下したため18日から供給を停止したことなども影響している。
 須賀川地方広域消防本部の調べでは局地的なゲリラ豪雨があるものの、7月の降水量は87・5㍉(昨年167・5㍉)、8月は23日現在で78・0㍉(同143・5㍉、31日まで)とほぼ半減している状況にある。
 須賀川農業普及所によると高温の影響により稲の生長が早まり、稲穂が出てから約1カ月は、田んぼの水がある状態だと穂(粒)が大きく育つため、9月上旬ぐらいまでは水は必要で、水がない状態が続くと穂が育たなくなり、収量の減少や品質が悪くなり1等米比率が低下するという。普及所は今のところ直接的な被害情報は把握していないが、随時調査と指導を行っている。
 またJAは果樹について、ナシ生産者から「幸水」は今のところ果樹の浮皮や着色不良、日焼けなどの被害報告はないが、高温の影響で平年より1週間以上早く成熟状態となり、大きさは平年より小さいが、硬度や糖度は高い状況となっているという。生産農家は「今後ナシの豊水の収穫に入る。果肉軟化が促進されると芯腐れ果の発生につながりやすいので心配」と話す。
 野菜の露地キュウリは6月の適度な降雨と気温が高めに推移したことにより、生育が進み、高温や乾燥時には液肥でのかん水などで対応し、現在は生産量も多く単価も良い状況で取引されている。きゅうりん館には280軒の生産農家が利用し、24日現在1万4500ケースを出荷、9月下旬まで出荷が見込まれるほか、手詰めのナスも順調に出荷している。
 今後、JAでも高温が続くと病害虫も見られるようになり、注意を呼びかけ見守っていくとしている。