学校での活動を紹介する児童たち
湯本小の創立150周年記念式典は1日、同校体育館で行われ、全校児童4人と関係者ら約90人が記念すべき日を祝い、校歌に歌う「おこそう湯本 栄えよ母校」の精神で子どもたちの夢の実現を地域一体となって支え続ける同校の取り組みを未来につないでいく決意を新たにした。
同校の歴史は明治5年(1872年)の学制頒布に伴い、寺子屋教育を行っていた森本宥心を教師に、同氏宅を教場として明治6年に第8番学区推会小学校を田良尾に創設、湯本・羽鳥に分校を置いたことに始まる。
明治25年には羽鳥・湯本簡易小を合併して湯本尋常小となり、33年に初代校長が就任した。昭和22年に湯本小と名称を変えた。
現在は「進んで学ぶ子ども・心豊かな子ども・じょうぶな子ども」を教育目標に、小規模の強みを活かす充実した教育を受けている。
式典で柳沼信之校長は「児童の皆さんは150周年の今年をしっかり心に刻み、将来『湯本小で学べたことは誇りです』と胸を張れる大人になってほしい」、星昇実行委員長は「子どもを通わせる親として湯本小には代えがたい魅力があり、ここでの教育はへき地だけでなく全国のマイルストーンになる」とあいさつした。
来賓祝辞に続き、児童4人が母校を紹介し、幼稚園との交流活動や自然散策、田んぼや畑での農作業体験、ゴルフなど写真とともに思い出を語り「地域の助けがあるから活動できる。応援に感謝しないといけないね」など心を込めた言葉は出席者たちの胸を打った。また「旅館の後継ぎ」「パン屋」「植物学者」「バレリーナ」と将来の夢も発表した。
出席者全員で校歌を高らかに歌い、同校のさらなる歩みに心を合わせた。
記念講演会は全国へき地教育研究連盟の温泉敏会長代行が「地域に根ざす小規模へき地校」をテーマに、自身が勤務した小規模校での実例を写真で紹介しながら、「教師と子どもの信頼関係を形成しやすい」「子どもの発言機会・発表機会を増やしやすい」「地域を生かしたカリキュラムを実施しやすい」など強みを解説した。