11日から特撮美術監督「井上泰幸展」 須賀川にラドン初上陸


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 須賀川出身の“特撮の神様”円谷英二監督の右腕として活躍した特撮美術監督の井上泰幸さん(1922~2012)が遺した数万点に及ぶ関連資料が姪の東郷豊代美さんらから須賀川特撮アーカイブセンターに寄贈され収蔵された。今回の寄贈を記念して「井上泰幸展―円谷英二を支えた特撮美術の技」を11月11日から26日までtetteで開く。
 須賀川に託された数多の資料から代表的な作品を展示し、中でも円谷監督が67年前に特技監督を務め、井上氏が当時の福岡の街を実物そっくりに再現した「空の大怪獣 ラドン」のミニチュアセットは須賀川初公開となる。
 会期中はトークイベントとギャラリートークを企画した。トークイベントは11日午前11時から約1時間、須賀川おなじみの特撮美術監督三池敏夫さんと井上氏姪の東郷さんをゲストに迎え、井上氏の技とその秘密について語る。定員は当日受け付けで30人程度予定。受け付け方法などは後日周知する。ギャラリートークは市担当学芸員が、19日と23日の午前11時から1時間程度、会場展示概要を案内説明する。
 問い合わせは市文化振興課特撮推進課(℡ 0248-94-7174 )まで。
 井上さんは大正11年福岡県古賀市出身。昭和29年「ゴジラ」に特殊美術スタッフとして参加以降、東宝の特撮映画の中心的な役割を果たす。昭和41年に特撮美術監督に就き、円谷監督とともに多くの特撮映画を手がけた。
 昭和46年には自らの造型会社「アルファ企画」を設立し、平成以降も様々なテレビ番組でミニチュア制作を請け負った。平成23年自身の仕事をまとめた「特撮映画美術監督 井上泰幸」を出版。翌年89歳で亡くなった。