「学びの共同体」実践紹介 須賀川二中 台湾教育訪問団受け入れ


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    生徒たちの授業風景を写真や動画で記録する台湾人教諭たち

 須賀川二中は26日、台湾新北市の小中学校教育関係者12人からなる教育訪問団を受け入れ、「学びの共同体」を実践する同校の取り組みを紹介した。
 同校は「学びの共同体」の第一人者である東京大の佐藤学名誉教授から毎年授業づくりの助言を得ている。
 「学びの共同体」とは生徒、教師、保護者が互いに学び合う学校であり、具体的な取り組みとして、基本的に全ての授業で小グループ制をとり、教師が一方的にしゃべるのではなく、生徒自身が互いに聴き合い、発表するなど過去の授業形態と異なるあり方を採用する。
 市内では各校でこの「学びの共同体」を進めており、佐藤名誉教授は市教委の授業づくり研修会の講師も務めている。
 佐藤名誉教授の活躍は国内にとどまらず、新北市でも10年前から「学びの共同体」を実践しており、その縁で今回の訪問につながった。
 新北市の小中学校の校長や教諭、教育委員会の代表者らは須賀川二中の授業を見て回り、グループ内で教科書やタブレットを活用しながら互いに教え合い、学び合う生徒たちの姿をスマートフォンやビデオカメラで記録し、関心を示していた。
 質疑応答では遠藤彰校長らに同校独自の学年単位で行う教員同士の研修会の進め方や、受験・進路に直面する中学生に対する教育のあり方などについて質問した。
 また「学校の雰囲気も落ち着いており、生徒たちの深く学ぶ姿勢に教職員の努力が感じられて感動した」、「体育における学び合いのあり方が素晴らしかった」など感想を寄せ、「授業に使用したワークシートを提供してほしい」と感銘を受けていた。
 このほか福島空港を発着する台湾定期チャーター便が来年1月からスタートし、さらに3月には定期便としての就航も見込んでいることから、県観光交流局の吾妻嘉博局長らが同校を訪れ、同訪問団に県内の教育旅行や学校交流をアピールした。
 訪問団は特に台湾でも子どもたちに人気のウルトラマンに興味を示し、市内の特撮アーカイブセンターなどの説明に笑顔を見せていた。