受賞を喜ぶ松崎淳一社長と祐行杜氏
仙台国税局の東北清酒鑑評会の結果は10日に発表され、「廣戸川」の松崎酒造が純米酒の部で初の最優秀賞、吟醸酒の部も優等賞に選ばれる快挙を遂げた。
東北地方の製造技術及び品質の向上を図り、酒類業の健全な発達に資することを目的に毎年開かれている。
今年は東北6県の清酒製造場148場から吟醸酒の部に125場143点、純米酒の部に118場134点の清酒が出品された。
10月上旬に審査し、吟醸酒の部45場、純米酒の部40場を優等賞に選出、その中から最優秀賞1場、評価員特別賞2場を選んだ。
秋の鑑評会は春に出来上がった日本酒の管理状況も大きく影響するが、松崎酒造は25~38歳の蔵人8人がそれぞれの役割を果たし、今回の評価につながったほか、今年6月下旬から稼働する貯蔵庫も温度調整にひと役買った。
受賞酒について評価員は「穏やかな柑橘類の香りとほのかに甘い香りから、旨味と酸味を主成分とする豊かで芳醇かつ切れの良い味わいにつながっており、素晴らしいバランスで調和している」「バナナやメロン、ミントの香りも感じられる。程よい酸味とすっきりした味わいで、甘みがありつつも後味はすっと切れる。香味のバランスが素晴らしい」などと絶賛した。
賞状授与は9日、松崎酒造で行われ、清水雄策仙台国税局長が松崎淳一社長(65)と松崎祐行杜氏(38)をたたえた。
淳一社長は「天栄産の酒造好適米『夢の香』を使って受賞できた。日本酒は米・水・発酵・気候風土・人が重要と言われるが、この地区の素晴らしさが認められたということでもあり、村のPRにもなる。また杜氏の祐行が震災後、県清酒アカデミーで学び、快進撃を続けており、苦労はあったと思うが本当にうれしく思う」と喜んだ。
祐行杜氏は「天栄で作られた米も、蔵人の技術も、全てが調和して得られた結果。受賞には驚いたが、これからの励みになる。これからも蔵人たちと協力しながら多くの人に飲んでいただけるより良い酒を造っていきたい」と述べた。