田んぼダム事業状況共有 水害被害緩和へフォーラム


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    田んぼダムの取り組み現状など理解を深めたフォーラム

 郡山テクノポリス地域戦略的アライアンス形成会議の第10回サステナブル地域づくりフォーラム「田んぼダムの普及と水害緩和に向けた情報共有」は13日、関係者ら約70人が参加して須賀川市労働福祉会館で開かれた。
 田んぼダムの流域治水の観点から、近年多発激化する水害対策の一つとして、河川に流れ込む水量を河川周辺の田んぼで貯水することで軽減を図ることが狙い。
 関係機関の調べによると、過去10年で降水量50㍉以上の豪雨は1・4倍と急増しており、河川改修工事に鋭意取り組んでいるが、それだけでは全ての対策に追いついていないのが課題の一つとなっている。
 県によると河川流域農家に田んぼダムへの協力を呼びかけ、今年4月現在で県全域約530㌶の協力提携が得られており、現状で3割程度の浸水軽減効果が期待される。
 須賀川市はこれまで幾度となく下流域に水害被害をもたらした準用河川笹平川の被害軽減を目的に平成29年から日大工学部と西川地域資源保全会の協力を得て田んぼダムの取り組みを継続しており、橋本克也市長はさらなる被害軽減へ上流域への農家にも同事業への理解と協力を求めていく考えを示している。
 地域づくりフォーラムは大槻努アライアンス形成会議会長と中野和典日大工学部教授があいさつし、来賓として橋本克也市長が祝辞を述べた。
 講演は西川地域資源保全会の円谷正美さんが「笹平川上流域の田んぼダムの取り組み」、丸山眞典県農林水産部農村振興課副主査が「田んぼダム普及に向けた取り組みと支援制度」、水上哲夫須賀川卸センター理事長が「笹平川下流域の被害」、朝岡良浩日大工学部土木工学科教授が「笹平川流域における田んぼダム実証実験」をテーマに講話し、現状や今後の課題などについて意見交換した。