「マラソンリーダーからの提言」瀬古利彦さんが若手育成の思いなど語る 須賀川信用金庫新春講演会


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    ユーモアあふれる語り口で客席を引き込む瀬古さん

 須賀川信用金庫の新春講演会は24日、市文化センターで205人が出席して開かれ、日本陸連マラソンリーダーとしてアスリートの競技力向上に導いてきた瀬古利彦さんを講師に、演題「心で走る~マラソンリーダーからの提言」を講話し、ユーモアを交えながら若手育成に重要な思いなどを伝えた。
 瀬古さんは高校時代から本格的に陸上を始め、インターハイ800㍍と1500㍍で2年連続2冠を達成、早稲田大時代は箱根駅伝で4年連続「花の2区」を走りエースとして活躍、オリンピックに2度出場、ボストン・マラソンや東京国際マラソンなど国内外のマラソンで15戦10勝の成績を残した。
 日本陸連マラソンリーダーとして現在は後進の育成に力を注ぐ。
 瀬古さんは自身のアスリートとしての活躍にはライバルの存在が大切だったと振り返り「休みたいと思うことがあっても、宗兄弟は練習していると思い、頑張っていた。練習メニューも競い合うように、より厳しいものに挑戦していた」と述べた。
 また円谷幸吉選手と君原健二選手のライバル関係にも触れ、「円谷選手の死を知った君原選手は、『メキシコで必ず金メダルを取る』と約束し、見事に銀メダルを取った。2人の走りは日本中にやる気や勇気、元気を与えた」とたたえた。
 日本陸連幹部からマラソンリーダーを依頼された瀬古さんは、一度は断ろうと思ったが、そうした2人へのリスペクトもあり、引き受けたという。
 日本マラソン界の復権を目指し、新しい選考会(MGC)の設立と、選手・監督の意識改革に取り組んだ。
 MGC設立には反発もあったが、そのときに読んだ本に書かれた「変化は摩擦を生む。しかし摩擦から進歩が生まれる」との言葉に励まされ、関係者への必死の説得で実現させた。
 意識改革は、泥臭く無駄な練習をしない現在のマラソン界に一石を投じるもので「世界で活躍した選手はだれをみてもクレイジーなほど練習をしていた。若い監督からは『そんなにやったら故障する』と言われるが、『やりもせず、なぜわかる』という思いだ」と話した。
 瀬古さんのアドバイスを受けて活躍している選手の実例として元公務員ランナーの川内優輝選手を紹介し、「(厳しい練習を)やり抜いた人は活躍しているし、言ったことも聞いている人は聞いている。伝えるために大事なポイントとして、相手の話も最後までしっかり聞き、その上で言葉を伝えること。叱ったり意見を言うときは、最初に褒めた上ですること」と述べた。
 また恩師の故中村清監督から受けた「練習で泣いて試合で笑いなさい」「継続は力だが、惰性の継続は退歩。毎日新しい情熱で練習しなさい」といった言葉を紹介した。

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