「時空(とき)の駅」整備目指す 上人壇廃寺跡の史跡公園化 保護と活用の両立を図る


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 須賀川市は上人壇廃寺跡の整備に向け、「時空(とき)の駅 上人壇 時をこえて人・もの・心が行き交う史跡公園」を基本理念とする基本計画を策定した。国史跡に指定される貴重な遺構を保護しながら、現代の暮らしの中に生かされる存在として、市内外の歴史学習や文化的活動を促し、歴史の力による心豊かな暮らしづくりを目指す。
 上人壇廃寺跡は須賀川駅の北側、岩瀬森地内にある奈良・平安時代の寺院跡で、昭和36年からの発掘調査により南門、金堂、講堂が南北方向に一列に並ぶ特徴的な伽藍配置や、六角形の瓦塔、経軸端、金鼓など全国的に希少な遺物などが確認された。
 寺院の名が失われた後も、調査以前から「上人壇」と呼ばれ続けるなど寺院としての認識は時代を超えて受け継がれており、古代の「石背」国・郡の中心を想起させる空間が現在まで残っている。
 市は同計画の基本方針に、廃寺跡の保存を第一として、未来に継承することを掲げる。また市民・来訪者の憩いの場として活用、古代の石背郡に関わりのある遺跡を含めた情報発信や市民の活動拠点としての活用を図る。
 整備により古の遺跡の特徴を表現し、眺望できる展望地を設けるなど、古代に思いを馳せる空間を整える。管理運営は地域住民、市民、関連団体、行政が協働する体制の構築を目指す。
 公園にはベンチや解説板、野外卓などを設置するほか、AR(拡張現実)技術により、スマートフォンのカメラ越しに金堂などの建物が空間に再現される映像の提供なども盛り込む予定。
 廃寺跡の徒歩圏内である須賀川駅東側には、石背郡の役所跡である栄町遺跡もあり、まちの原点・原風景でもある史跡の本質的価値を生かした歴史学習の場となるだけでなく、史跡公園として緑地における憩いや安らぎ、活気を得られる活動の場にもなる。
 市は駅西地区再整備事業と連動しながら、今年度内に基本設計を固め、整備委員会などを開きながら学識経験者や地元団体、市民とも連携して進める。
 また広く市民に歴史的価値などを知ってもらい、史跡に親しむ機会を提供するため、今月8日に実施したランタンを浮かべるイベントなど、今後も企画・実施していく。

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