須賀川市長沼地域に伝わる長沼甚句を30年ぶりに復活させた「長沼ミニ盆踊り大会」は4日、地元住民らが参加して金町地区で開かれた。
長沼甚句は長沼城主が躍らせた御座敷踊りが元と言われ、昭和50年代に復活の動きがあり、当時に合わせた歌詞を付け足して、地域の盆踊りとして一時継承された。
時代の移り変わりとともに途絶えていたが、令和3年の市「地域の宝創造プロジェクト」で地元の伝統に改めてスポットを当てたことで復活の機運が高まり、ワークショップに参加した久保直幸さんを保存会長に再開への動きが本格始動した。
昨年は長沼甚句の録音音源を使って実施したが、今年は実際のお囃子と太鼓などの生演奏で再開しようと保存会で練習を重ね、本格復活へ準備を進めた。
浴衣姿の参加者たちは太鼓を囲んで輪をつくり、長沼甚句のゆったりとした歌声に合わせて踊り、夏の夜の風情を楽しんでいた。また子どもたちにはかき氷プレゼントもあり、にぎやかな笑い声を響かせていた。
久保会長は「多くの皆さんの協力で復活できた。来年以降も地域で受け継いでいきたい」と話している。