須賀川市の新市政を担う大寺正晃市長は13日、多くの職員や元同僚の市議会議員、関係団体の代表者、市民らに拍手で出迎えられながら初登庁した。「今までどれだけ多くの人に支えられ、お世話になってきたか実感し、市長の責務の重さを痛感し、『元気な須賀川市』の実現に向け頑張ろうと決意を新たにした」と力強く述べた。
大寺市長は須賀川高(現須賀川創英館高)卒業、平成23年の市議選で初当選し、4期目の昨年9月に市議会議長に就き、今年5月に市長選出馬の意思を固め、7月21日の投開票で行われた市長選で「須賀川に元気を!」のスローガンのもと新人同士の一騎打ちを4254票差の1万4271票で初当選した。
公約の3本柱として学校給食費・教材費の無償化など「子育て環境の充実」「財政健全化と職員の働き方改革」「様々な分野でのトップセールス」を掲げる。
13日に開いた記者会見では「第9次総合計画の継続・推進を基本としながらも、必要な追加や見直しを図っていく。公約に掲げたものは短期的に可能なものと中長期に検討すべきものに仕分け、4年間での実現に全力を傾ける。実現には優秀な職員の皆さんの力が必要であり、私の考えを理解してもらうのが第一歩と考える。そのためまずは各課に考えを示し、風通しの良い環境を整えながらともに悩み、建設的な議論を進め、実現に歩みを進めたい」と述べた。
また「一般に行政は慣例重視主義と言われているが、法令や条例を厳格に遵守し、『これまでこうだったから』という職員の思い込み、思い違いを躊躇なく見直し、民間感覚で早い段階に必要な方向転換をするような舵取りをしていきたい。また市民の代弁者である市議会重視の考えを徹底していく」とした。
さらに「元気な須賀川市」の実現に向け、まずは市職員の働きやすくスキルアップしやすい環境をDXなどで整え、職員の元気が市民の元気に広がるような展開を目指す。
初の職員訓辞では「SDGs、市民協働、シビックプライドなどは行政の基本となる理念であり施策ではない。財政が限られる中で、理念のPRを目的とした事業展開でなく、市民生活に直結する事業に予算を配分すべきだ。公約は皆さんとともに実現できると確信している。ともに頑張りましょう」と職員を鼓舞し、新市政への期待感を高めた。