自転車が関わる交通事故は県内でも後を絶たず、須賀川市内でも今年2月、中学生が車を避けようとして転倒しケガを負うひき逃げ事件が発生している。26日から2学期がスタートしたが、努力義務化したヘルメットの着用は、高校生以上の若者を中心に未だ浸透していない。そうした中、須賀川署は管内の自転車販売店に協力を仰ぎ、「ヘルメット着用推進協力店」として地域一丸となって着用を促すよう体制を強化している。
ヘルメット着用推進協力店の指定は今年度から始まった取り組みで、店内に自転車関連交通事故の状況などの統計データを掲示し、自転車を購入する際に店側がヘルメットも合わせて購入するよう勧めることで着用率の向上を図る。
26日現在の協力店はオートランドとみなが、長沼輪業、コメリハード&グリーン長沼店、サンデー須賀川店、ダイユーエイト須賀川西店・東店、DCMホーマック須賀川店、イオンスーパーセンター鏡石店の8店舗。
同署はこれまでも自転車運転者の多い駅前や学校付近などで街頭啓発を実施してきたが、啓発活動がヘルメット着用に直結するよう、販売時点での声掛けを促す。
警察庁の統計によると自転車乗用中の死者の約半数は頭部を損傷しており、このうち約9割はヘルメットを着けていなかった。このことからも着用の重要性が伺える。
昨年4月から着用が努力義務化されたが、県内の着用率は全国的にみても極めて低く、昨年7月の警察庁調査ではわずか4・3%で全国ワースト5位だった。
また阿武隈時報社が今年4月に須賀川駅前で行った調査では、朝の通勤・通学等利用者のうち着用していたのは5%だった。
自転車販売店の関係者によると、努力義務化後、高齢者などは購入する傾向があるが、若者にはまだまだ必要性が浸透していないという。
「荷物になる」「保管が難しい(盗まれそう)」「髪型が崩れる」などのイメージがネックとなっているとみられる。
デザインを重視したものや一見すると帽子に見えるものなど、各販売店では多様な種類を用意してPRを進める。
「大ケガをしたり、大切な命に何かあってからでは遅い。若い人にもその重要性をわかってほしい」と訴える。
なお同署では9月2日午後2時から、ダイユーエイト須賀川東店でヘルメット着用や盗難防止などを含めた啓発活動を予定している。
県警とダイユーエイトが今年6月に結んだ「安全で安心なまちづくりに関する協定」に基づくもので、川上敦署長や須賀川署広報大使の熊谷七海さんらが来店者に啓発を促す。