白熊関の十両優勝・新入幕祝賀会 「燃え上がる相撲を」松明あかしの化粧まわし贈る


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    贈呈された松明あかしの化粧まわし

 白熊須賀川後援会の十両優勝・新入幕祝賀会は31日、グランシア須賀川で開かれ、白熊関(25)=本名・高橋優太、二所ノ関部屋=に松明あかしを描いた化粧まわしを贈り、さらなる躍進へ背中を押した。大相撲秋場所(8日初日・両国国技館)に東前頭16枚目で臨む白熊関は「一番一番挑戦者として、松明あかしのように燃え上がる相撲を取り、客席からも燃えるような声援をいただけるようにしたい。そうして結果を残し、須賀川の名を広めたい」と力強く述べた。
 白熊関は東十両8枚目で挑んだ7月の名古屋場所を12勝3敗で十両初優勝に輝いた。
 須賀川後援会は白熊関の新入幕を見越して今年3月から化粧まわし製作に向け寄付を募り、276件299万円が寄せられた。
 黒地を背景に何本もの赤々と燃える松明が並び、「須賀川市伝統行事松明あかし」の文字が刺繍されている。デザインはエリアマークス(須賀川市前田川)、製作は日東製旗(東京都)が担った。
 白熊関は小学生の頃、祖父の祥武さんに松明あかしに連れて行ってもらったことがあるとして「はぐれてしまい、迷子センターでご飯を食べていたことを覚えています」と微笑ましいエピソードを明かした。
 祝賀会で菊地大介後援会長は「9月場所は幕内力士としてスタートする。初めての舞台はおそらく胸裂けんばかりの緊張と興奮で土俵に立つと思う。より一層の応援を賜れば、必ず吉報が須賀川に届くと信じている」とあいさつした。またアントニオ猪木の「道」を引用し「迷わず行けよ、行けばわかるさ」とエールを送った。
 また大寺正晃市長、佐藤暸二市議会議長らが祝辞を述べた。
 二所ノ関親方は「白熊は3・5月の2場所冬眠していましたが、先場所に向けて意識も変わり、稽古量もものすごく増えて、地道な基礎運動もこなした。初日こそ敗れたものの、別人のように前へ前へ出る相撲で白熊自身の相撲が全開だった。白熊は鍛錬するほどに鋭さが増して強くなる日本刀のような男。これからも白熊の鍛錬を重ね、皆様に良いご報告ができるようにしたい。須賀川で優勝パレードができるようにこれからもご支援、ご協力をお願いしたい」とあいさつした。さらに「私は新入幕を9勝6敗で敢闘賞がもらえなかったが、白熊にはそれを達成できるよう、しっかりと稽古をつけたい」と背中を押した。
 白熊関は日頃の応援に感謝を伝え、「(祝賀会で)多くの人に支えていただけていると実感した。さらに結果を残し、もっと恩返しするしかないと改めて感じた」と述べた。さらに「9月場所は2桁勝ち越しする気持ちで結果を残し、あわよくば優勝できれば。まずは自分の相撲を一番一番皆さんに見ていただきたい」と「優勝」を口にすると、会場を埋め尽くすファンたちは大喝采を浴びせ、応援の熱をヒートアップさせていた。
 鏡開きと乾杯を終えると参加者たちは白熊関の前に行列をつくり、花束を手渡したり記念撮影やサインなどを求めた。白熊関は1時間以上途切れずに続くファンからのリクエストに笑顔を絶やさずに応えていた。サイン色紙をもらった参加者は「名前の通りの優しさで本当にうれしかった。これからもずっと応援していきたい」と笑顔をこぼしていた。また「ケガをしないように」「(9月場所は)千秋楽を見に行くからね」など温かい言葉をかけていた。
 余興としてお笑い芸人のぺんぎんナッツをゲストに白熊関の手形付きサイン色紙が当たる抽選会を開き、盛り上がった。

「祖父のおかげで今がある」 白熊関、花束贈り感謝

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    祥武さんに感謝を伝える白熊関

 祝賀会には市内外の後援会員や国・県・市議会議員、関係団体の役員らのほか、白熊関の親族も出席した。白熊関は、特に感謝を伝えたい人として祖父の高橋祥武さんを壇上に上げ、花束を手渡した。
白熊関は「祖父がいなかったら相撲をしていなかった。今、こうして大相撲に携わっていられるのも祖父のおかげ」と感謝を述べた。
思わぬプレゼントに祥武さんは驚きながらも感激の表情を浮かべ「ありがとう、感動した。幕内に入り、これからが山場だよ」と伝えた。
また会場で我が子の晴れ舞台に温かい眼差しを送っていた父の健一さんは「ここまでよく頑張ってくれた。これからも皆さんの応援を受けながら自分の相撲を極めて、唯一無二の力士になってほしい」と述べていた。健一さんは白熊関について「小さい頃から人見知りでおっとりしているが、力持ちで優しかった。『人よりも倍頑張って人並み。2倍、3倍頑張ってようやくスタートラインに立つんだよ』と教えていたが、それをしっかり受け止めて、成果を出してくれており、うれしい」と語った。
会場にはこのほか小学時代の白熊関を知る教職員も駆けつけ、立派な成長を喜んでいた。「当時の面影も感じられてうれしかった。お弁当の量がすごかったことを覚えている」などと懐かしんでいた。

「須賀川の星になってください」 115枚のメッセージ 阿武隈時報社

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    多くの市民たちが寄せた応援メッセージ(一部)

 阿武隈時報社は多くの市民らの協力で完成させた「白熊関応援メッセージ」を須賀川後援会に提供し、祝賀会の会場で上映された。
祝賀会の開催が決まった後、市内で飲食店を営む熱烈な白熊関ファンから、「会場に来られない市民の応援も白熊関に伝えてほしい」とアイデアを受けて実施したもので、115枚の写真をスライドショーにした。
「頑張れ白熊関!」「目指せ!横綱」「松明のように燃え上がれ!」「須賀川の星になってください」など熱いメッセージと笑顔いっぱいの写真、及びスライドショーのデータは、祝賀会で白熊関に直接手渡した。

 たくさんの皆さんにご協力をいただき、誠にありがとうございました。