須賀川市内の敬老事業は毎年9月の「敬老の日」を中心に各町内会等で開かれているが、コロナ禍を境に実施する団体が大きく減少している。市によると令和元年度は63団体が敬老会を実施していたが、昨年度は21団体、今年度は現在まで12団体から申請があるのみだという。市内の総人口が減少する中、65歳以上の人口は10年間で3864人増加しており、市も今年度から敬老祝品の見直しを迫られるなど、影響が広がっている。
敬老会の推移をみると令和元年度は63団体あったが、コロナ禍に突入した2年度は7団体、3年度は4団体まで減少した。
新型コロナとの付き合い方がある程度浸透していった4年度は9団体、5類に移行した5年度は21団体まで回復したが、一度中断した行事の再開は難しく、コロナ禍の残した爪痕は大きい。
各町内会等では実施に負担の大きい敬老会を見送る一方で、感謝は伝えたいと祝い品などの贈呈のみ行うように切り替えたところも少なくない。
現在まで市に申請があった敬老会は12団体だが、配布のみも含めると48団体あるという。
敬老の日周辺では13日に宮の杜町内会、16日に芦田塚町内会と堀込行政区、吉美根区が敬老会を予定している。
市はこれまで75歳以上に贈っていた敬老祝商品券・1日温泉利用共通券について、今年度から77歳など賀寿に合わせ、対象者に共通券5000円分を贈る方針に見直した。
対象者は今月15日現在で賀寿(77・80・90・99歳)に達した市民。今月中旬から順次郵送する予定。
市内の65歳以上の人口推移をみると、平成17年(2005年)は1万5738人、高齢化率は19・49%だったが、26年(2014年)には1万8360人、23・44%、今年4月1日現在は2万2224人、30・28%まで増加している。
高齢化が進む中でより重要性が増すのが「健康寿命の延伸」であり、市では第2次健康増進計画を今年度からスタートして、各事業を通じて運動習慣の形成や食生活の見直しなど健康づくりを進めている。
なお市内の最高齢者は2日現在で男女とも104歳。100歳以上の高齢者は18日までに男性8人、女性46人となる見込み。