地元若者たちの遊び心から始まり長沼の秋を代表する一大イベントに成長した「長沼まつり」は14日、金町通りで開かれた。約40年続いた歴史に幕が下ろされるとあって、終わりを惜しむ声、思い出を振り返る声、感謝の声などたくさんの声が熱気いっぱいの観覧者から聞かれた。
昭和60年に須賀川から借り受けた1台のねぶたをきっかけにスタートし、翌年の第2回からは手探りでねぶた・ねぷたを手作りし、目抜き通りを盛り上げ続けた。最盛期には24基の巨大ねぶた・ねぷたが会場に集結するなどしたが、コロナ禍をきっかけに関係者の高齢化、後継者不足などが課題となり、第38回の今回で一つの区切りをつけることになった。
直前まで雨粒がぱらつくなど天候が懸念されたが、午後4時の第1部スタート時には雨の心配もなくなり、子どもたちのダンスチームやフラダンス愛好団体、よさこいチームが踊りを披露して祭りの始まりを景気づけた。
会場が夕闇に包まれた6時から出陣式が旧JA長沼支店駐車場で行われ、集結した8基の巨大ねぶた・ねぷたに歓声が上がった。
まつり立ち上げメンバーの一人でもある戸田修一実行委員長は「ここまで続けてこられて多くの皆さんに感謝している。一つの時代を駆け抜けた思いだ。ぜひ次のバトンをつないでほしい」とあいさつで思いを語った。
ほかにも大寺正晃市長、根本匠代議士、玄葉光一郎代議士らがあいさつし、各出場団体代表らが思いを発表して気勢を高めた。
特別ゲストの奥州須賀川松明太鼓保存会の勇壮な演奏でスタートに景気づけし、長沼小・長沼東小児童手作りの金魚ねぶたが先陣を切った。
元気いっぱいの子ども神輿、国際色豊かな踊り流し、2度目のよさこい総踊りに続いて巨大ねぶた・ねぷたが練り歩いた。
長沼中、須賀川創英館高、小中ねぶた愛好会、金上ねぶた狂、私たちのねぶた愛好会、矢田野ねぷた愛好会とハネト衆らが会場の熱気を一段と盛り上げた。
ねぶたの本場青森からのハネト衆もゲスト出演し、最後のねぶたが金町通りを通り抜けていくと、来場者からは終結を惜しむ声と感謝の声が上がっていた。