須賀川市手をつなぐ親の会の研修会は15日、tetteで開かれ、すかがわ子育てネットワークTUNAGUの理事長で臨床心理士の冨森崇さんが「神経発達症のライフステージに応じた支援」をテーマに講話した。
23人が受講し、森田孝子会長のあいさつに続き、冨森さんが神経発達症(発達障がい)の概要や発達段階に応じた課題や心理社会的危機など紹介した。
冨森さんは診断に活用される「精神疾患の診断・統計マニュアル」では「発達障がい」でなく「神経発達症」と表現されており、今後呼称が変わってくると説明した上で、「これまで脳機能障がいとされてきたが、明確な根拠はないと言っても過言でない。治らない・服薬しないといけないではなく、『神経の発達に不具合がある状態、部分的に未発達・未成熟がある状態』と捉え、不具合を調整し、成長を促していく視点への切り替えが必要」と語った。
また神経発達性は、特性の組み合わせにより生活に何らかのトラブルや支障がある(適応行動の問題)と定義されるが、特性はその人らしさであり、適応行動の問題は環境、学び、関わり方などで力をつけることができる可能性があると解説した。
受講者らは確かな知識や理解を深め、地域共生の確立に向け必要なことを改めて考えている様子だった。