須賀川市青少年人材育成海外派遣事業の研修視察報告会は27日、市役所で開かれ、小中学生と高校生計7人が8月のオーストラリア渡航で得た経験や学びを大寺正晃市長や森合義衛教育長らに説明した。
海外派遣事業は故安藤ツヤさんの寄付を基に設立した基金を活用し、子どもたちが直接、外国の社会・文化・自然などに触れ、体験的な学習を通して国際理解を深め、優れた国際感覚を身に付けることで将来の須賀川を担う人材育成を図ることを目的に平成23年度から始まった。
派遣生らは8月1日に成田空港からオーストラリア・ケアンズへ飛び立ち、ホームステイやシュノーケリング、現地校への訪問などを行い、7日に帰国、8日に市内に戻った。
代表の水戸煌稀さん(日大東北高1年)は「一生の宝になる素晴らしい経験をさせていただき、ありがとうございました。異なる文化、言語で生きる外国人との交流で、伝えることの大切さや前向きに生きる姿勢などを学び、将来国際的な場で活躍し、誰かに夢や希望、力を与える人になりたいと改めて思いました」とあいさつした。
派遣生らも写真とともに経験を振り返り「言葉が通じなくても人の温かさが感じられた」「目を見てゆっくり話せば、つたない英語でも必ず伝わると学んだ」「自然の美しさ、料理のボリュームなどスケールの大きさを感じられた」など感想を述べた。
森合教育長は制度創設から関わってきた思いなどを述べ、「経験をこれからの人生に活かし、いずれ困っている誰かを助ける『一隅を照らす人』になってほしい。やりたいことに向けて地道にコツコツ取り組むことは、絶対に将来に役立つ」とエールを送った。
大寺市長は「学びを糧に大きく成長し、さらなる活躍を願う」と講評した。