須賀川市立博物館の秋季企画展「定信が画臣 文晁・田善・白雲~郷土の画人と文化~」は22日から12月1日まで、江戸時代中期に手腕をふるった老中松平定信(1759―1829年)と須賀川との関わりを切り口に、古文書や画など資料約50点を展示し、同時代の芸術や人々の営みを紐解く。
白河藩主だった定信は須賀川を含む領内の産業や農業振興、文化芸術の向上に努め、大きな影響を与えた。
企画展では定信の藩政に関わった内藤家や市原家、相楽家などの古文書をはじめとした資料を解説とともに並べる。「自治のまちすかがわ」の象徴的な取り組みでもある赤子養育金なども紹介する。
芸術分野では定信の近習として仕えた谷文晁、代名詞でもある銅版画習得のきっかけを定信から与えられた亜欧堂田善、十念寺の住職ながら定信に画才が認められ公の相談役としても活躍した白雲などの作品について、所蔵資料だけでなく他館の協力も得て展示する。
同館初展示となる谷文晁の「楽翁公白河御下屋敷真景図」(1794年、白河市歴史民俗資料館蔵)や、定信自身の作とされる「関羽像」(1782年、東京都公文書館蔵)も見どころの一つとなる。
会期中の催しとしてギャラリートークは26日午前11時からと11月8日午後2時から、同館学芸員が資料を解説する。
講演会「定信とその周辺の画人」は11月23日午前10時半から、同一テーマの著書を持つ県立博物館の川延安直専門員が講話する。
歴史探訪講座「白河で観る定信・文晁ツアー」は11月4日午前9時から、小峰城歴史館と藤田記念博物館の定信や文晁に関する展覧会を見学する。
講演会とツアーは今月11日から申し込みを受け付ける。
講演会は無料だが、ツアーは参加費1000円が必要となる。
文化の日(11月3日)、松明あかしの日(11月9日)は入館無料で開放する。
開館時間は午前9時から午後5時まで。
問い合わせは同館(℡ 0248-75-3239 )まで。