無人除草機を視察する参加者たち
令和元年10月の台風19号水害被害を受け、国、県、阿武隈川流域自治体が連携して取り組む阿武隈川緊急治水プロジェクトに基づく、国と企業連携による無人式除草実証実験は7日、大寺正晃市長、木賊正男町長らが参加して須賀川市の浜尾遊水地で実施した。
令和10年度完成を目途に、阿武隈川本川・支川の河道掘削と雑木伐採、鏡石町、玉川村、矢吹町の遊水地整備、雲水峯大橋、小作田橋の架け替えなどの治水対策に取り組んでいる。
遊水地整備は3町村3カ所にまたがり、全体面積約350㌶、洪水調節容量は1500万~2000万立方㍍で、浜尾遊水地の面積比約5倍、貯水量約8倍となる。
遊水地完成後の維持管理について町村と住民による検討委員会で協議を重ねているが、雑草が生い茂り野生動物の群生地として荒れるなどの問題が懸念されていた。
問題解決の一つとして、刈り手の労力と維持管理費軽減を目指して無人機導入を提案するため、国土交通省東北地方整備局はIHIの除草機3機を披露し、堤防や遊水地内のさらなる維持管理適正化を目指していくもの。
実証実験はリモコン型ハンマーナイフ(ラジコン式)、自動除草機SG250ⅰG(無人式)、ロボモア(無人式)の3機。
ハンマーナイフは最大45度の傾斜まで対応でき、セイタカアワダチソウやススキなど生長した雑草の伐採に対応でき、その後はほか2機が稼働して除草作業を行う。
実証実験を視察した大寺市長は「広域的な流域治水にこれからも取り組みを強化していきたい」、木賊町長は「無人の除草作業は画期的、課題解決の参考にしていければ」とコメントした。