福島労働局の「過重労働解消キャンペーン」は21日、井口真嘉労働局長が鏡石町のハシコー梱包運輸(橋本一美社長)を訪れ、同社と取引先企業の東北旭紙業(小林裕明社長)の2社をベストプラクティス企業として、積極的な長時間労働削減の取り組みについて説明を受けた。
11月の過労死等防止啓発月間に合わせ、同キャンペーンを実施している。
ハシコー梱包運輸は時間外労働の上限規制など物流の2024年問題や平均年齢54歳となった乗務員の高齢化、健康起因事故防止のため、運賃の賃上げや高速道路使用料の収受に取り組み、高速道路を使用できるように改善した。
また最新のデジタルタコグラフを導入し、取引先とトラックの現在地を共有することにより荷待ち時間削減や労務時間管理を図った。
さらに早く帰庫した乗務員と協力して集荷や予備車への積み込みを行い、時間外勤務が月60時間以上になりそうな乗務員をフォローすることで、従業員35人に対して時間外60時間超の乗務員はかつての2桁台から0~3人程度まで大幅に減らすことに成功した。
また定期的な休暇取得状況確認や業務の属人化解消などにより年休5日の取得率は100%に達した。
東北旭紙業は全136人の社員の残業時間を月42時間以内と定め、各所属長が40時間を超えそうな従業員に注意喚起、残業の少ない従業員と交代するなどして長時間労働を削減している。
荷積み・荷降ろし作業もこれまでのバラ積み・バラ降ろしから、パレット単位での作業に移行できるよう取り組んでいる。
そのほか取引先と連携・協力しながら荷待ち時間削減や位置情報共有化を図るなどにより、労災0件を目指している。
説明を受けた井口局長は2社の取り組みをたたえ、橋本社長と仲澤雅明次長に記念楯を寄贈した。