天栄村の小・中学生による子ども議会は26日、各校を代表する議員役の11人が登壇し、旧湯本中校舎の活用や村の農業人口の推移と対策など幅広い項目について質問し、添田勝幸村長や長場壮夫教育長、担当課長らが答弁した。
議会や政治の仕組みについて体験を通じてより深く学んでもらうための取り組みで、小学生7人と中学生4人が質問した(質問者と質問事項は22日付に掲載)。
全校生にアンケートを実施したり、学年で意見を出し合いながら質問項目を考え、ソーラーパネル搭載の街灯設置や移住促進のための具体的な支援内容など、村をより良くするためのアイデアを提案する工夫もみられた。
牧本小の大木悠矢さんは農家減少について、農業構造動態調査のデータを提示しながら、農業人口の推移とその対策を質問した。
担当課長は村内の農家が2000年850戸、2010年632戸、2020年401戸と、人口減少や高齢化により減少しており、主要産業の農業を守るため国・県・村の制度を活かして支援し、イベントなどで就農をPRしていく、若い世代の就農や継続の支援も続けていきたいと述べた。
天栄中の大須賀怜治さんは旧湯本中校舎の活用について質問し、湯本地区にある日本一の太さと言われるミズナラ(こぶなら)に関する「森のミュージアム・環境学習」などの活用も提案した。
担当課長は、施設は現在村が管理しており、今後について地区住民と話し合い、利活用への意見を聴取した。また事業者から施設を利用した新事業の提案も受けている。村としては施設が湯本地区や村の未来の負担とならないよう、提案内容を参考にしながらより良い利活用を検討していると答弁した。
登壇した榊枝大佳さん(天栄中)は「村がより良くなるよう考える良い機会になった。伺った内容は全校に発信したい」と感想を述べた。
大須賀渓仁村議会議長は「堂々と質問していて感心した。これからも地域を考える視点を持ち、次の時代の新しい村を支える人になってほしい」と講評した。