寿泉堂松南病院に勤務する精神保健福祉士の安藤俊輔さん(43)は12月7日に台湾で開かれる初のソーシャルバスケットボール国際大会に日本代表コーチとして同行する。精神障がいや発達障がいを抱える選手がプレーする競技であり、安藤さんは県内唯一のクラブ「福島Dreams(ドリームス)」を平成30年に立ち上げ、チームは今月30日、千葉県で行われる全国大会に出場する。
安藤さんは京都在住時に同競技のクラブチームに関わっており、須賀川でも活動を広げたいと、福祉・医療従事者の仲間たちとともに同クラブを立ち上げた。現在は精神障がい者や家族、福祉・医療関係者、一般の人たち約30人が第2・4木曜日に市民スポーツ会館で、第3火曜日に白河中央中体育館で練習している。
「まずは楽しく」をテーマに掲げ、小学生から50歳代まで年齢や性別、抱える事情も様々な参加者たちの表情はいつも明るい。
国際大会は安藤さんが副会長を務める日本ソーシャルバスケットボール協会が2年前から台湾や韓国とオンラインで交流を重ね、開催にこぎつけた。
「チーム自体も大会も、『無いなら自分たちで作ろう』と始めた」。安藤さんが日頃から携わる福祉分野は特殊な事例が多く、その分だけ必要なモノ・コトが足りていないケースが少なくない。そうした中で「無ければ作る」の精神が培われた。
コロナ禍で練習に人が集まれない状況が続いたが、安藤さんは「ここに来ればバスケができる」という場を守ろうと、ときに1人きりでも練習場所に通い続けた。「国際大会や全国大会をきっかけに競技の認知度が高まり、それだけでなく障がい自体への理解促進にもつながってほしい」と願いを込める。
最近は一般の高校生からも「何か手伝えることはないですか」と声をかけられる機会もあったという。「専門的な知識がなくても、気持ちがあれば関わっていただけるので、ぜひ多くの人に興味を持ってほしい」。
全国大会は過去最高の4位以上、国際大会はまず競技を通じた交流を目指す。
国際大会には同チームの矢内寛樹さん(古殿町)も出場する。28日には市民スポーツ会館で仲間たちと練習に励み、大会に向け士気を高めた。
同チームは参加・見学を随時募集している。
問い合わせは安藤さん(fksm_md_bc@yahoo.co.jp)まで。