須賀川市立博物館は4日から通常利用を再開した。年末の臨時休館中に亜欧堂田善展示室の資料を「田善の銅版画でみる江戸名所の今昔」のテーマで入れ替え、江戸名所銅版画を中心に江戸の情緒や活気、時代の移り変わりを感じられる作品や関連資料が並んでいる。
田善の作品は日本の風景・風俗を西洋の技法で緻密に描き、江戸時代の記録としての魅力や価値も備えているとされる。
一方で田善は実際に見た風景から意図的に物を差し引くことで構図を整え、作品の完成度を高めたことも知られる。例えば今回の展示で並ぶ「大日本金龍山之図」と当時の地図を比較することで、田善が見たはずの景色と、その意図に思いを馳せることもできる。
そのほか「アサクサヲクヤマ」や「両国勝景」、「自上野望山下」、「新吉原夜俄之図」などと、それらに対応した地図や解説が並ぶ。
また田善以前の江戸名所図など関連資料も展示した。
なお館内ではスポット仏画展「すかがわ縁の画僧『荒了寛』」を26日まで開き、作品や関連資料など展示している。
問い合わせは同館(℡ 0248-75-3239 )まで。