父と娘の作品展 国分内科の六点美術館


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    父娘の力作を飾った(左から)中田さんと佐藤さん

 須賀川市中宿の国分内科クリニック内の六点美術館は2月末まで、中宿在住の中田誠さん(73)と佐藤智湖さん(40)の「―切り絵、イラスト―父と娘の作品展」を開き、細部までこだわった緻密な作品が来場者を驚かせている。
 六点美術館は、地域で活躍する作家にスポットを当て、心を安らぐひと時を提供する無料開放の展示スペース。
 中田さんは13年前、智湖さんの知人が作った切り絵作品を見たことをきっかけに、独学で切り絵を始めた。
 20代の頃から親しむ水彩画の技術や、ユーチューブで紹介される手法なども柔軟に取り入れ、「JIIJI(ジイジ)」のカッターネームでこれまでも作品を発表してきた。
 写真をベースに下絵を描き、1作品4カ月ほどの時間を費やして仕上げる。作品によっては絵の中に「隠れバルタン星人」を潜ませるなど、遊び心も光る。
 智湖さんは生き生きと制作に取り組む父の影響や、子どもが成長して自分の時間を持てるようになったこともあって5年前からペン画の作品を描き始めた。
 コースターやポストカードなど、空き時間に集中できる画材を好み、ペンも子どもが使っていたボールペンや蛍光ペン、マジックなど使う。
 好きな花をモチーフにしながら、心象を表現する細やかな模様を描く。
 切り絵とイラストで異なるものの、2人の作品はどこまでも緻密で、父娘の絆を感じさせる。「お互いの刺激を受けながら、これからも作品を作っていきたい」と笑顔をみせた。
 会場には2人の力作12点が並び、それらを飾る額はいずれも中田さんが自作した。
 六点美術館は作品鑑賞のみの来館も歓迎する。

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