最優秀賞は深澤消防士長 須賀川地方広域消防本部の意見発表会


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    「心のケア」の必要性を訴える深澤消防士長

 須賀川地方広域消防本部の消防職員意見発表会は14日、同本部で開かれ、最高賞の最優秀賞に深澤恒志消防士長(石川消防署)の「こころのケア」が選ばれた。
 概ね勤続8年目にあたる職員を対象に、職務を通して得た認識や課題をテーマに発表し、消防活動の諸問題に関する一層の知識の研さんや意識の高揚を図る目的で昭和52年度から実施している。
 今年度は職員代表7人が演壇に立ち、審査員長の安田柳一市教委教育研修センター指導主事をはじめ小針則雄消防長、地元報道機関記者ら計5人が審査した。
 深澤消防士長は、悲惨な現場や人の死と関わらざるを得ない消防士が抱える「惨事ストレス」について、これまで見過ごされてきたと指摘した。職員をPTSDなどから守るため、職員の理解促進と組織全体の迅速かつ的確な「こころのケア」が必要だとして、予防としての教育、ケアの専門家を交えた現場活動後におけるグループミーティングケア体制の確立、家族への啓発活動など提案した。
 組合代表として2月14日に福島市で開かれる県消防職員意見発表大会に出場し、さらに上位大会を目指す。
 2位相当の優秀賞は岡部駿消防士長(須賀川消防署)の「目指せバイスタンダー100%」、3位にあたる努力賞は菅野光消防士長(同)の「それいけ!ファイヤーマン」が選ばれた。
 各発表者は自身の経験をもとに様々な観点から問題を捉え、実現可能な解決のアイデアを堂々と発表していた。
 安田審査員長は「皆さんの発表からは課題を捉える『気付く力』、先輩や後輩から学びを得る『同僚性』が優れた点として感じられた。またそれぞれの『人間性』がよく現れ、人を助けるのは人間であるということを改めて感じた」と講評した。