享保雛(北山家旧蔵)と「竹梅に鶴亀図屏風」(個人蔵) 春日光親「嵐山図屏風」
須賀川市立博物館の企画展「雛人形展」は2月4日から3月9日まで34日間、江戸時代から現代までの雛人形や関連資料を展示する。今年は「お雛様と和の設え」をテーマに、屏風や掛け軸などを使った空間的な装飾にも焦点を当てる。
同館は開館以来、市民から寄贈された雛人形を展示する「雛がいる博物館」の愛称で親しまれており、雛人形・節句人形と関連資料の収蔵点数は1000点を超え、県内随一のコレクション規模を誇る。
須賀川に雛人形が多く残るのは、奥州道を通じた江戸との交流が活発だったことに由来する。
今回は雛飾りだけでなく、空間の装飾と間仕切りとして使用された屏風や掛け軸も重点的に展示する。
繊細に描かれた屏風は単独でも鑑賞に値するが、雛人形の背後に配置することで雛飾り全体の演出に役立てられる。屏風は内裏雛とセットで置かれることが多く、特別さを際立たせる。
展示は享保雛(北山家旧蔵)と「竹梅に鶴亀図屏風」(個人蔵)、享保雛(近藤家旧蔵)と「四季花鳥図屏風」(明治天皇使用枕屏風)等の組み合わせのほか、御殿飾り雛(小池家旧蔵)、春日光親の「嵐山図屏風」などを並べ、当時の創意工夫や意図に思いを巡らせる企画展となる。
会期中の催しとして、学芸員が資料を解説するギャラリートークは2月15日午前11時からと、3月1日午後2時から開く。予約は不要で観覧券のみで参加できる。
「ミニ屏風を作ろう」は2月11日と24日の午前10時から、オリジナルの屏風作りに挑戦する。対象は小学生以上で参加費300円。
イベント「博物館のひな祭り」は3月2日、ミニゲームや工作などのコーナーを設ける。当日は入館無料。
なお商工会議所女性部のつるし雛も展示し、同時期に地域で行われるイベント「雛(ひゝな)の笑顔に会えるまち」と合わせて楽しめるよう工夫を凝らす。
観覧料は大人200円、大学・高校生100円、中学生以下、65歳以上、障がい者は無料。
開館時間は午前9時から午後5時まで。
問い合わせは同博物館(℡ 0248-75-3239 )まで。