受賞した熊田さん(下段中央)と土田さん(下段左2)
第74回社会を明るくする運動の作文コンテストで全国保護司連盟理事長賞に選ばれた熊田龍汰さん(牧本小6年)、県推進委員会優秀賞の土田優心さん(広戸小5年)に対する表彰伝達式は16日、天栄村役場で行われ、関係者らが2人の受賞をたたえた。
社会を明るくする運動は国民が犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちや非行をした少年たちの更生に理解を深め、犯罪や非行のない地域社会を築こうとする運動。
今年度で32回目となる作文コンテストには全国から小学生12万9840点、中学生17万1824点が寄せられた。
2人はいずれも村の「こども未来応援事業」で昨年8月、福島地方裁判所で実際の裁判を傍聴した経験を作文にした。事件は酒を買う金欲しさに窃盗を犯したもので、被告人は前科があり犯行時も執行猶予期間中だった。
熊田さんは「明るい社会へ」と題し、罪を犯したことは許せないとしながら、犯行を繰り返す背景を想像し、前科がある人を遠ざけるのではなく寄り添うことで人が救われる、「こわれた人の心を治すのはやっぱり人」だとした。「受賞を嬉しく思います。傍聴の経験を活かし、困っていたり一人になっている友達がいたら、自分から声をかけるようにして、人に寄り添える人になりたいです」と語った。
土田さんの作文「初めての経験」は自分で犯罪について調べ、犯行に至る理由を想像し、対策等を考えた経緯などまとめた。「これからも自分で考え、調べ、自分なりの意見を持てる人になりたいです」と受賞を喜んだ。
伝達式は福島保護観察所の梶川一成所長が賞状を手渡した。須賀川地区保護司会の大野修司会長や長場壮夫村教育長らも同席し、2人をたたえた。