須賀川市中央体育館で人命救助 仲間らが「救命の連鎖」 広域消防組合で協力者表彰


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    表彰を受けた佐々木代表(下段左2)と小林館長(下段右1)たち

 須賀川市中央体育館で仲間とバドミントンをしていた77歳男性の命を迅速・適切な対応で救助したとして、チームメイトであるバドミントンチーム「すみれ」と中央体育館は16日、須賀川地方広域消防組合から協力者表彰を受けた。
 「すみれ」は佐々木しつ子代表、鈴木富次男さん、伊藤絹枝さん、今泉和彦さん、今泉正子さん、今回救助された男性の計6人のチームで、毎週金曜日に同体育館で練習している。
 事案は昨年11月22日午後1時40分頃、練習中に男性が倒れた。佐々木代表らチームメイト4人は元看護師ということもあり、直ちに男性に駆け寄って意識や呼吸、脈拍の状態を確認、胸骨圧迫の実施、さらに事務室に状況を知らせて通報したり、AEDを使用するなど、素早く適切な対応を連携しながら行った。
 また元中学校校長の小林一彦館長も事態に的確な対応をみせ、胸骨圧迫に加わった。
 6人の救命処置により男性は救急車が到着する前に息を吹き返し、ドクターヘリで郡山市内の病院に搬送され、現在は後遺症も残らず仕事に復帰しているという。
 佐々木代表らは「看護師引退からずいぶん経っているが、命を救おうととっさに体が動き経験を活かすことができた。とても焦っていたがこれだけの人数がいたので対応できた。後に担当した医師が『処置のおかげで一命をとりとめた』と話していたと知り、行動できて良かった」と語る。
 小林館長は「教員時代に生徒たちと何度も講習を受けており、実践したのは初めてだったが落ち着いて対応できた。命が救えて本当に良かった」と笑顔を見せた。
 賞状を手渡した小針則雄消防長は「心停止急病者の命を救うには『救命の連鎖』が重要で、今回はまさにその救命奏功事例だった。今後、応急手当普及に役立たせていただきたい」と称賛した。
 救命の連鎖とは「心停止の予防」「心停止の早期認識と通報」「一次救命処置(心肺蘇生とAED)」「二次救命処置と心拍再開後の集中治療」の4つの輪であり、これらを素早く適切につなげることで救命効果が高まる。

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