岩瀬地域の課題について意見交換する参加者
須賀川市過疎地域持続的発展計画の後期計画策定に向けた地域懇談会は6日に長沼農村環境センター、7日に岩瀬コミュニティセンターで開かれ、地元住民ら計約70人が地域のより良い未来を目指して意見を交わした。
長沼・岩瀬両地域が令和3年4月に過疎指定されたことを受け、市は持続的発展計画を策定し、施設整備など各種事業を実施してきた。
後期計画は令和8年度から5カ年であり、両地域の実情と住民の声を計画に反映させるため、昨年12月から地域懇談会を開いている。
このうち岩瀬地域懇談会は27人が出席し、第1回懇談会で寄せられた地域課題や地域資源に係る意見やアンケート調査結果などを基に、グループに分かれて「教育・子育て支援の充実」「地域イベントの開催」「観光資源の開発」「交通インフラの整備充実」「若者向けの雇用創出」の5分野について具体策を意見交換した。
「教育・子育て支援」は、子どもを見守る環境が失われつつある中で、岩瀬全体を安全・安心なまちにすることが必要だとし、防犯カメラを効果的に設置して地域全体で見守りを密にした生活を守ることと学童保育の時間延長など提案した。
「地域イベント」は、高齢者の健康づくりイベント、マレットゴルフなど子どもたち(多世代)とつながれるイベント、笠ケ森山開きや悠久まつり、特撮アーカイブセンターなどへの参加者を巻き込み交流を広げるための官民一体となった体制の構築が必要だとした。
「観光資源」は、昔からある自然環境やコメを中心とした農産物の魅力を再認識できる発想の転換が必要で、耕作放棄地や遊休農地での農業体験など独自性を打ち出せるオリジナル農産物の開発、ゲンジボタルや幻の滝、歴史的資源のブラッシュアップなど提案があった。
「交通インフラ」は、ニュータウンや近隣市町村、中心市街地などをつなぐバスルートや多地域を巻き込んだスクールバス運行、車庫証明が不要な岩瀬地域の特徴PR、ちょこすかのエリアと時間拡充、学生への動画PRなどの案を発表した。
「若者の雇用創出」は、地域の魅力である農業を押し出すため、農地を集約化して就農希望の若者や法人への貸し出し、組織化することでの技術承継などを図っていくなど提案した。
今後は両地域から寄せられた意見をもとに全庁的な視点で素案を作り、各種団体代表者で構成する後期計画策定会議を5月から8月までに3回開き、8月にパブリックコメント(意見公募)、10、11月の県協議を経て、12月に計画策定を目指していく。