倒壊した和田さんのビニールハウス
26日は低気圧の影響により須賀川・岩瀬地方をはじめ県内各地で台風並みの強風が吹き荒れ、ビニールハウス倒壊や家屋の損壊などの被害が発生した。
須賀川広域消防本部によると須賀川市内では午前11時13分に最大瞬間風速28・6㍍を観測し、袋田地内や矢沢地内などでビニールハウスの倒壊、蔵の屋根が飛んだほか、市内50代女性が飛んできたフェンスにぶつかり軽傷のケガを負うなど様々な被害が生じた。住民からは「地震のような揺れも感じた。家の中にいても、とても怖かった」との声も聞かれた。
袋田地内で花き栽培を行う和田康伸さんはビニールハウス13棟のうち8棟が被害を受けた。1棟はパイプが折れて倒壊し、花を温めるための暖房器具も破損した。
ハウスではハイブリッドスターチスを1000株弱育てており、6月頃に出荷を迎える予定だったという。「強風の予報を見て窓を閉じるなどの対策はしていたが、まさかこれほど被害が出るとは思わなかった。解体して建て替えたら400万円くらいかかると思う。出荷の早いハウスから直していくしかない」と和田さんは頭を悩ます。
同地内では蔵の屋根が飛ぶ被害もあった。当時自宅にいた50代女性は「何度も揺れて、怖くて震えが止まらなかった。物置のガラスも割れ、自宅の屋根も被害を受けた。電線が引っ張られて火事になることが一番怖かったが、そこまでには至らなくてよかった。蔵は土壁なので週末の雨が心配だが、屋根に登ってケガをするほうが大変なので、このままにしておくしかない」と恐怖を振り返る。
このほか水郡線磐城石川―郡山間で運転見合わせや、市内仁井田、大桑原、越久、滑川、袋田、西川で停電も発生した。
須賀川市によると27日午前9時半現在で、けが人1人、住家被害1件、非住家被害5件(うち4件が公共施設)、学校3件、道路2件、公園2件の被害を把握している。
主な被害は、屋根瓦の落下や倒木など。