強風の被害を説明する本田さん
26日に須賀川・岩瀬地方を襲った強風の影響により、ビニールハウスなどにも多くの被害が出た。各自治体が27日までにまとめた情報によると、須賀川市52件、鏡石町2件、天栄村28件の計82件でビニールの破れや支柱のゆがみなどの被害が確認された。
このうち須賀川市内は西袋7件、仁井田10件、稲田18件、長沼15件、岩瀬2件を確認しており、調査が進めば件数はさらに増える見込みである。
鏡石町と天栄村ではビニールの破れなどだけだったが、市内では複数の倒壊も確認されている。
矢沢地内で2年前にキュウリ農家を始めた本田洸貴さん(28)は、今年からハウス栽培にも手を広げようとビニールハウス3棟を建てたばかりだったが、1棟は支柱が大きくゆがみ全壊、ほか2棟も被害を受けた。元々さらに1棟を追加し計4棟で5月の連休後に定植する予定だったという。「全壊した1棟の解体・再建には2~300万円ほどかかるかもしれません。特産品である岩瀬きゅうりで地元の農業に貢献したいと始めたところだったのに…」と肩を落とす。
大寺正晃市長や市農政課担当者らは27日、本田さんのほ場に駆けつけ、被害状況を確認した。貴重な若手の新規就農者を襲った自然の猛威に顔を曇らせ、大寺市長は「本田さんたち若者をはじめとする農業者がくじけないよう、まずは全力で被害状況や面積を早期に把握し、県にもスピード感を持った対応を訴える。県・JA・市で連携して対応していきたい」と述べ、本田さんを励ましていた。