天栄村の「涌井の清水」描く 萠翠会の塩田さん村に寄贈


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    涌井の清水の絵を寄贈した塩田さん(左)

 須賀川市台の塩田芳子さん(82)はP50号(幅1167㍉・高さ803㍉)に天栄村指定重要文化財・天然記念物の「涌井の清水」を描いた日本画「神秘の沼」を同村に寄贈し、文化の森てんえいに飾られている。
 塩田さんは市内の日本画萠翠会(ほうすいかい)の会長や須賀川美術協会役員を長年務め、昨年度は市文化団体連絡協議会から功労者表彰を受けた。また神炊館神社の御朱印帳の牡丹画も手掛けるなど、幅広く活躍している。
 「神秘の沼」はコロナ禍前に何度も現地に通い、鏡のような水面に映る空の色や葦の影、次々と湧き出す水の様子などを写実的に描き切り、自然の静けさの中で揺れ動かされた心の感動を表現した。
 塩田さんにとって同サイズで描いた唯一の作品であり、多くの人に見てもらいたいと願っていたが、萠翠会の仲間である小林春子さんが先月に日本画を村に寄贈したことを知り、今回の寄贈を申し出た。
 寄贈に対する感謝状贈呈式は11日、同館で行われ、長場壮夫教育長が「貴重な絵をありがとうございます」と感謝を伝えた。
 塩田さんは「涌井の清水は本当に素晴らしいので、絵をきっかけに一人でも多くの人が興味を持ち、現地に足を運んでもらえたらうれしいです」と述べた。