消防署で暑熱順化訓練 暑さに耐えられる体づくり


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    防火服でトレーニングする隊員たち
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    訓練の合間に水分補給して休憩する

 5月を間近に控え、最高気温が20度を超える日も増えている。今月半ばには最高気温が30度近くまで上がったが、突発的な暑さに襲われる日もこれから増えることが予想される。須賀川広域消防組合の各署ではこれからの暑さを見据え、災害や救助現場での任務を安全に遂行できるよう、体を暑さに対応させて熱中症のリスクを抑える暑熱順化訓練に取り組んでいる。
 暑熱順化訓練は火災現場で着用する防火服を着た状態でランニングなどを行うことで、冬場に順応していた体の発汗量や皮膚血流量を増加させ、暑さに対応した体に整える。発汗による気化熱や体の表面から逃がす熱放散がしやすくなり、汗に含まれる塩分が減るなど熱中症になるリスクを減少させる効果がある。
 重量が10㌔弱ある防火服は熱がこもりやすく、さらに火災現場などでは約10㌔の空気呼吸器を背負ったり、数10㌔の消防用ホースを操ったりなどハードな活動を要求され、隊員自身が現場で体調を崩さないためにも暑熱順化のような事前の準備が重要となる。
 暑熱順化訓練は数年前から取り入れはじめ、4月頃から6月にかけて徐々に運動負荷を増やしていき、体を暑さに慣れさせていく。
 今シーズンの訓練を開始したばかりの須賀川消防署では現在、防火服を着た状態で歩行、ランニング、腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニング等を行っており、6月頃には空気呼吸器を背負った状態にしたり、階段の上り下りなど内容をよりハードにする。
 訓練で体調を崩すことがないよう、休憩や水分補給もしっかり行う。
 一般の人でも日頃からウオーキングやジョギングなど運動習慣を身につけることで暑熱順化をさせることはできる。
 しかし、それ以上にまずは基本的な熱中症対策を心がけてほしいと須賀川消防署では呼びかける。
 予防としては、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給する、エアコンを活用し高温を避ける、睡眠不足にならないようにするなど体調管理を行う。
 熱中症と思ったら涼しい環境に移動し、楽な姿勢をとる。「話がうまくできない、受け答えがおかしい、けいれんしている、立てない、歩けない、体が異常に熱く汗をかいていない」などの症状が出ているときは、迷わず救急要請する。
 救急車が到着するまでの対処として、首周りや脇の下、足の付根など冷やして体温を下げると良い。
 これから徐々に暑くなっていく前に、改めて熱中症対策への確認が求められる。

 

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