イットカンロボと佐藤社長
鏡石町諏訪町の金属塗装業サトウ精密工業が使用済み一斗缶を再利用したブリキのロボット「イットカンロボ」は26、27の両日、開催中の大阪関西万博ジャパンエキスポに出展され、話題を呼んだ。
同社は創業38年を迎え、先代のころから使用後の有機溶剤缶の再利用案を考えていた。2代目の佐藤真基社長らが令和5年8月に「SDGsとからめて何か面白いことしたい」と、使用済み一斗缶の有効活用と塗料ロス解消のため多目的収納ボックスを作り始めた。
形状を活かしたり色を塗ったりする中で、公式キャラクターの「一斗缶太郎・缶子夫妻」が誕生し、これをベースに多目的ゴミ箱などを作っているうちに、作品をSNSの「X」で情報発信し話題を呼んでいった。
閲覧者からのリクエストに応える中で、「ブリキならロボットを作ってみよう」と試作、複数の溶剤缶を組み立てて高さ75㌢、幅40㌢、奥行23㌢の「イットカンロボ」が完成した。
遊び心から東京の雑貨・遊具メーカーTFF製造の「なんでもぜんまい」を頭に装着したところ、かわいらしい姿が「X」で好評を集め、同社との縁をきっかけにジャパンエキスポへの出展が決まった。
エキスポ会場ではTFFのゼンマイ関連キャラクターとともにSDGsと遊び心を存分に発信し、目線が同じくらいの子どもたちを中心に大人気だった。
万博出展を受けて佐藤社長は「大変光栄なことでうれしく思います。ちょっとでもイットカンロボが話題になってくれれば」と話す。
イットカンロボや一斗缶リメイクシリーズは同社のX(https://x.com/paintitallcolor)やメルカリなどで発売中で、ロボを大いに気に入り購入した安積町の寺院の本堂前くじ引きコーナー脇に安置されている。
材料の形状の関係で加工など100%リクエストに応えられない場合もあるが、カラーバリエーションなど対応もしていきたいと話す。
これまでオブジェや多目的ゴミ箱などを製作しており、現在は赤べこ型の置物を製作中で今月下旬頃からの販売を見込んでいる。