須賀川・岩瀬地方のプラスチック資源の回収 開始1カ月で年間想定の28% 分別不足や汚れたままの物も


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    搬入されたプラ資源の分別作業
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    プラ資源に混入して出されたゴミ

 須賀川市、鏡石町、天栄村のプラスチック資源の分別収集が始まって1カ月が経過した。須賀川地方衛生センターによると4月は約16・8㌧が搬入されており、食品トレイなどプラスチック製容器梱包のみ回収していた昨年同期と比較すると約4倍となっている。一方で、分別不足や汚れたまま出される物も多く、住民の理解浸透が課題となっている。
 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に基づき、分別方法の見直しや住民への周知啓発、リサイクルを通じ、資源の循環促進を図るため、「素材が100%プラスチックでできている」「1辺が30㌢未満」「ひどく汚れていないもの」の3点を満たすプラスチック製品の回収を開始した。
 集めた資源は衛生センターでシルバー人材センターのスタッフが手作業による分別を行い、圧縮減容したあとでリサイクル業者に引き渡し、最終的にリサイクルパレット(樹脂パレット)や原材料ペレットなどに再生される。
 昨年度のサンプル調査をもとに算出したプラ製品の年間排出見込み量は60㌧としていたが、年間想定の28%にあたる量が開始1カ月で集まったことになる。
 そうした中で課題となっているのが分別されていない状態や汚れたまま出されたゴミだ。
 牛乳パックや紙ゴミ、金属を含むプラスチック、汚れたラップを付けたままの食品トレイなども一緒くたにして資源として出され、衛生センターでの作業量を増やしている。
 また「1辺が30㌢未満」という条件を無視して出されたプランターや発泡スチロールの入れ物も少なくないという。
 さらに現場の頭を悩ませているのが汚れた状態のプラスチックだ。湿気が多くなるこれからの季節、悪臭問題に発展する可能性があり、衛生センターだけでなく、各ゴミステーションでトラブルにつながりかねない。
 簡単な水洗いで落ちない汚れであれば、そのまま「可燃ごみ」として出すように呼びかける。環境資源のための取り組みであるのに、洗剤で環境を汚染しては本末転倒となるからだ。
 住民の理解促進を図るため、各自治体では回覧や広報紙、SNSなどで情報を発信している。
 須賀川市では要望があったゴミステーションに正しい分別を促すための資料を掲示するなどの取り組みもみられる。
 環境のための新たな取り組みを成功させるため、ルールに基づいた一人ひとりの行動が求められる。
 問い合わせは須賀川市環境課(℡ 0248-88-9129 )、鏡石町健康環境課(℡ 0248-62-2115 )、天栄村住民課(℡ 0248-82-2119 )まで。

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