県指定重要文化財を展示 鏡石町 6月7・8日に初夏の文化祭展示部門


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    特別展示公開する県重文「凌煙各功臣画像」杉戸

 鏡石町生涯学習文化協会の「初夏の文化祭」は6月7、8の両日、町公民館で各種展示を行う。今年は同館2階所蔵の県指定重要文化財「板絵 凌煙閣功臣画像(白雲上人筆)」を出展する。
 作品は4枚8面ずつ西光寺と町公民館に分けて保管され、今回展示するのは公民館所蔵の張亮ら8人を描いた作品。特別展示に合わせて専用展示ケースを新調した。
 「凌煙閣功臣画像」は寛政9年(1797年)、鏡沼村の大庄屋常松家が菩提寺西光寺(現鏡沼)に寄進するため、当時の白河藩主・松平定信の知遇を得ていた十念寺第19代住職で画僧の白雲に依頼し本堂杉戸に描いた。
 中国・唐の第2代皇帝太宗が建国時の功臣24人の肖像を宮廷画家閻立本に命じて、長安宮城内の凌煙閣に描かせた絵を原画に白雲が8枚12面(縦170㌢、横80㌢)を描いた。
 この作品に作者落款や印章はないが、白雲が師事した谷文晁または明の画家陳洪綬の功臣画像を白雲が模写した紙本彩色巻子本を須賀川の竹内家が所蔵していたことから今回の杉戸絵も白雲筆と判断された。
 また裏面の板絵山水図は蒲生羅漢、牡丹孔雀図と牡丹図は文晁派の絵師たちによって描かれ、県指定重要文化財附指定を受けている。
 町教委によると、功臣像24体そろって板絵として描かれている作品は少なく、全国的に見てもこれほど大きな板戸絵は珍しいとのこと。
 画僧白雲は十念寺住職時代に松平定信の「集古十種」編纂に参加するなどお抱え絵師として活躍した。
 なお初夏の文化祭は展示部門(書道・生け花、園児・児童作品など)を6月7、8日に開き、囲碁大会は1日、将棋大会は8日、鏡石町美術協会展は14日から17日に町公民館(囲碁のみ町勤労青少年ホーム)で開く。