風流のはじめ館テーマ展「陸奥国岩代に生まれた元禄の俳人」 岸本調和らゆかりの資料 7月14日まで


  • 画像

 風流のはじめ館テーマ展「陸奥国岩代に生まれた元禄の俳人」は22日から始まり、7月14日まで俳聖・松尾芭蕉や相楽等躬らと同時代に江戸俳壇に活躍した岸本調和ゆかりの作品や資料約60点を展示している。
 岸本調和は陸奥国岩代(むつのくにいわしろ・現在の福島県西半部あたり)生まれ。寛文(1661年~73年)中期以降江戸に移り住んだ。江戸俳壇で大きな勢力を持ち、最大期には門人が100人を超える大宗匠にまで急成長した。その後、時流を洞察する明のある芭蕉一派の隆盛に押され勢いを失った。相楽等躬と同年の正徳5年(1715年)に没した。
 編著に「時鳥十二歌仙」、「金剛砂」などがあり、今回は中央図書館蔵の真筆俳諧「夕くれない」や個人蔵の歌集などを紹介している。
 ほかにも市立博物館蔵で与謝蕪村筆「複製 奥の細道屏風(重要文化財)」や芭蕉が須賀川で7泊8日滞在した当時を紹介する関連資料、等躬・調和と同時代を生きた現在の県中地区の俳人ら関連資料を展示した。
 会期中は6月9日にギャラリートーク「岸本調和、等躬、芭蕉~連歌から俳諧へ」、すかがわ大人塾「はじめてのやさしい俳句教室」と「愉しく、美味しく、季節の茶道教室」を開講する。
 関連文化講演会「蛙(かわず)になった芭蕉翁 鶯(うぐいす)になった蕪村」を14日に開催し、芭蕉真筆「風流の三つ物懐紙」(個人蔵)を東北初公開する。
 休館日は火曜日。入館無料。各講座に関する問い合わせは同館(℡ 0248-72-1212 )へ。