花火大会に向け玉貼り作業に追われる従業員
須賀川市矢沢の糸井火工は、全国各地で開かれる花火大会に向け、最後の仕上げ工程「玉貼り」の繁忙期を迎えている。
今年は5月31日に大阪・関西万博の夢洲会場で打ち上げたほか、7月19日に行われる伊勢神宮花火をはじめ、11月初旬まで、県内外の約50カ所の大小の花火大会で来場者を楽しませる。
2号(6㌢)から10号(30㌢)や、創作花火、20号(60㌢)など、1年かけて美しい花火を作るが、従業員たちは日々繊細な技術の向上を図っている。
製作には色合いを決める火薬の配合、色を作る星掛け、玉に詰める玉詰め、紙を貼る仕上げの玉貼りの4つの行程が重要で、ほとんどが手作業となる。従業員らは最後の工程となる玉貼りに真剣な表情で取り組む。
特にクラフト紙を貼る作業は、破裂時の圧力が玉の表面のどの点にも均一にかかるようにしなければならず、細心の注意を払い紙を密着させ、空気が入らないよう1個1個丁寧に作業を進める。
糸井秀一社長は「皆さんの気分が上向きになるように、今年も花火を打ち上げて行きます」と話している。
同社は明治6年創業以来、今年で152年を迎える。芸術性の高い花火を製作。県内はもちろん全国の花火大会に出向いている。