須賀川市認知症サポーター養成講座 当事者や家族などに寄り添うためのポイントを解説


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    橋本副理事長らから認知症を学ぶ受講生たち

 須賀川市の認知症サポーター養成講座は25日、市役所大会議室で開かれ、誰もがなりうる認知症の正しい知識を受講者約20人が学び、多くの人で支える必要性や、当事者、家族などに寄り添うためのポイントなど理解を深めた。
 認知症サポーターは認知症を正しく理解し、身近にいる認知症の人やその家族を見守る応援者として、自分のできる範囲で活動する人を指す。
 市は今年度、計5回の養成講座を予定しており、市認知症地域推進員や認知症サポーターの先輩「キャラバン・メイト」が、認知症の特徴や適切な接し方、関わり方、支援のポイントなどわかりやすく伝える。
 今回は前半に長沼・岩瀬地域包括支援センター職員を講師として、当事者や家族らの日常や思いを紹介する動画を視聴した上で、認知症が当事者にどんな影響を及ぼし、どのような思いを抱えるか、介護者の負担はどのようなものがあるかなど説明した。
 その中で、「認知症当事者は四方八方が真っ暗の中に、たった一人でスポットライトを当てられているようなもの」という専門家の説明を紹介し、上手くいかないストレスや分かってもらえないイライラを抱えると述べた。大切なことは、当事者にも感情がしっかりとあることを認識し、できるだけ行動を妨げず、相手の心境や何を望んでいるか、なぜそう思っているかなど「考える」ことを呼びかけた。
 また当事者への対応として①驚かせない②急がせない③自尊心を傷つけない―の3点を挙げた。
 後半はキャラバン・メイトの豊心会の橋本好博副理事長が認知症の医学的な概要や通常の物忘れと認知症の記憶障害違い、時間や場所の感覚が崩れる見当識障害、理解・判断力の障害など解説した。
 また認知症サポーターは「特別なことをやる人ではなく、地域の中に認知症当事者や介護者を分かってくれる人がいる、優しく声をかけてくれる人がいる、気にかけてくれる人がいることが重要」であるとして、認知症になっても自分で暮らしたい場所で暮らせる地域となるよう、少しの気配り、少しの思いやり、少しの理解などを呼びかけた。
 講師の2人は共通して「一人で背負い過ぎず、多くの人で協力して支える」ことの重要性を強調した。
 市では8月27日、10月29日、12月24日、来年2月25日にも同様の講座を開く。受講者は概ね1カ月前に募集する。
 このほかにも職場や地域、学校、こども園など、希望に応じて幅広い年齢層を対象に実施しており、認知症の正しい理解と支援の輪を広げることで誰ひとり取り残さない地域の実現を目指す。
 問い合わせは市長寿福祉課(℡ 0248-88-8116 )まで。