在住外国人向けの周遊バスツアー「FURU-NEWすかがわ」 出身国に須賀川の魅力発信を期待 高校生らも案内に協力


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    参拝の仕方を教える高校生

 須賀川市内在住外国人を対象にする周遊バスツアー「FURU―NEW(フルニュー)すかがわ」は29日に行われ、20人が神炊館神社や風流のはじめ館などで日本や須賀川の文化に改めて触れた。市では参加者が出身国のSNS等で須賀川の情報を発信することで、インバウンド需要の獲得につながることを期待する。
 近年、訪日外国人観光客が増加する中、いかにして地元に呼び込むかが各自治体で課題となっている。
 市ではこれまで市内の観光スポットなどを紹介する多言語のガイドブック発行など、主に外国に住む外国人にPRするアウタープロモーションを戦略の主軸としてきた。
 今回は訪日外国人の多くが旅先の検討にSNSや個人のブログなどを参考にしている傾向が強いことを踏まえ、外国籍を持つ人に須賀川の情報を発信してもらおうと初めて企画した。
 ベトナムやインドネシアなど東南アジア出身者を中心に20人が集まり、風流のはじめ館で須賀川茶道連合会を講師に茶道体験を楽しんだ。「抹茶味」を知っている参加者も、本物の抹茶を飲むのは初めての様子で、興味深げに味わっていた。
 続いて古寺山白山寺と約6000株のアジサイを見学し、昼食をとった。
 午後は神炊館神社からスタートし、須賀川創英館高JRC部と須賀川桐陽高有志の計34人のほか、市民ボランティア3人が案内役として合流した。5班に分かれて自己紹介をした後、代表生徒が神炊館神社の名前の由来や参拝の作法を「やさしい日本語」で説明した。
 ちょうど夏越の大祓に合わせて茅の輪が設置されており、高校生の説明を聞いた参加者たちもしっかりと8の字に回り、お参りをした。
 その後はくまたぱん本舗と内藤酒店でそれぞれ地元ならではの味を満喫した。
 ネパール出身で3年前から須賀川に住むゾシ・ダナ・ラズさん(33)は「特に古寺山白山寺や神炊館神社が印象に残った。ネパールにも水や空、動物など様々な神様がいて、そういうところは似ていると感じた。須賀川のお祭りなどの文化をネパールの友だちにも伝えたい」と語った。
 また須賀川創英館高3年の鈴木由菜さんは「教えることを通じて、自分が知らない日本や須賀川のことがまだたくさんあると気付きました」と学びを得ていた。
 市では年度内に同様の取り組みを実施する考えで、今回は市内在住者だったが、今後は対象を市外在住者に広げていく。