煮沸を見守る和田さん
乙字ケ滝のほとりにある複合型水辺施設「乙な駅たまかわ」を拠点とするあぶくまビール(渡辺潤社長)は1日、クラフトビールの醸造をスタートした。
同社はこれまで村外で製造した「乙な麦酒」(おつなビール)、「えんまビール」などを販売してきた。
同施設の設計段階から関わることで、レストランからのぞいて客の目も楽しませる醸造スペースを確保し、仕込みに必要な設備も整えた。
醸造を担うのは村の地域おこし協力隊の和田正樹さんで、初日は早朝から麦芽の糖化、麦汁のろ過と煮沸など汗を拭いながらも丹精込めて行った。
発酵期間は3週間程度を見込み、今月下旬にも販売を開始したい考えだ。
また仕込みは毎週行い、今年度は1万㍑、次年度以降はさらに生産量を増やしていく。
完成したクラフトビールは同施設や村内の道の駅、すがまプラザのほか、県南酒販を通じて県内スーパーなどにも並ぶ予定。
しばらくはエール系の数種類をラインナップとする予定だが、サルナシなど玉川村ならではのオリジナルビールにも挑戦したいと意欲をみせる。
SDGsの取り組みとして、製造工程で発生する不要な麦芽のかすを家畜のエサなど資源に活用する計画も同時進行している。
渡辺社長は「乙字ケ滝を中心にこの夏を盛り上げていきたい」、和田さんは「地域に根ざしたビールを造り、来てくださる人たちに美味しさを伝えたい」と意気込んだ。