「奇跡のあじさい」語り継ぐ 須賀川と長野の絆深める 藤沼湖自然公園で交流会


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    「奇跡のあじさい」を囲んで記念撮影

 藤沼湖自然公園復興プロジェクトと長野県長野市「3・11を忘れない」縁の会の交流事業『「奇跡のあじさい」を語り継ぐ集い』は3日、関係者ら約40人が参加して藤沼湖自然公園で開かれ、震災犠牲者の鎮魂を願って奇跡の太鼓・福幸太鼓演奏を披露した。
 須賀川市と長野市の両長沼地域は、戦国時代に治めていた上杉家家臣の島津氏が双方の長沼城址であった縁を基に、平成29年から「2つの長沼」交流をスタートさせた。
 同年秋には長沼地区から市民有志が藤沼湖底で発見した復興シンボル「奇跡のあじさい」と市の花牡丹を持参して長野市を訪問し現地に記念植樹した。
 交流とともにあじさいは愛されたが、令和元年東日本台風で千曲川がはん濫し、あじさいのほとんどが流出してしまった。しかし、あじさい一株が無事発見され、「奇跡の『奇跡のあじさい』」の名称で挿し木を重ねて株を増やした。
 2年前には両地域のさらなる交流を願って住民とともにあじさいが藤沼湖に里帰りし、キャンプサイトに記念植樹した。
 今回の交流会は両会久しぶりの再会で、長野市からはどんどこ座、芙蓉の会メンバーらが藤沼湖を訪れた。
 初めに長野冬季五輪で使われ、千曲川決壊で流出したがボランティアに発見された奇跡の梵鐘「鎮魂・復興の鐘(善光寺太鼓の梵鐘)」を鳴らし、黙とうをささげて震災犠牲者のめい福を願った。
 深谷武雄プロジェクト委員長はこれまでの交流の足跡を改めて紹介し「これからも皆さんと一緒に復興と交流活動を続けていきたい」とあいさつし、来訪の返礼に「奇跡のあじさい」と市の花牡丹の株を贈呈した。
 奇跡の太鼓「福幸太鼓」演奏を勇壮に披露し、さらなる交流と継続を願って全員で奇跡のあじさいを囲んで記念撮影した。