須賀川市ティーンズ会議 「あきらめない限り成功へのプロセス」 中学生がアイデア発表 問題を見つけられる人材へ


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    課題やアイデアなどを発表する参加者たち
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    制作した冊子の一部

 須賀川市のティーンズ会議発表会は5日、tetteで開かれ、中学生13人が全3回のワークショップや東京研修の経験で創り上げた冊子形式の「アート」を発表した。大寺正晃市長は一人ひとりの創意工夫を称え、「新しい視点でチャレンジし、須賀川の未来を担う人になってほしい。目標があり、それに向かっての失敗は失敗ではない。あきらめない限りは成功へのプロセスだ」とエールを送った。
 今年度から取り組む「こどもの声を政策に」プロジェクトの一環で、ティーンズ世代が市に意見を伝え、市がそれをまちづくりに生かす機会の創出、参加生徒の他校や大学生との交流、能力育成などが目的。
 東京芸術大の三井田盛一郎教授がメイン講師となり、スタッフや大学生らも活動をサポートし、アートの視点からまちづくりを考えた。
 冊子は手のひらサイズに様々な手書きのイラストを載せたもの、A3判用紙二つ折りに雑誌などの切り抜きと文字や線を加えたものなど個性にあふれ、それぞれが一つの作品となっていた。
 松明あかしなどの行事をそれぞれキャラクター化し、それらを使ったゲームを考えたり、衣服など自分たちが強い興味を持つアイテムを販売できるまちになってほしいという思いを絵と言葉で表現したり、須賀川の牡丹や桃、梨、米などの魅力をかけ合わせたキャラクターを生み出すことで市ならではの良さをPRするといった、様々な創意工夫のアイデアを作品に詰め込んだ。
 講評で大寺市長は「身近な問題など様々な視点から考え、それぞれの個性が輝いていた。今日がスタートと思い、若者の元気で失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてほしい」、三井田教授は「今回のティーンズ会議は何かに答えるためではなく、問題を見つけ出すプロセスになっていた。問題があることを共有することもすごいこと。皆さんがこれからも問題を見つけ出す人になったら素敵だと思う」と述べた。
 参加した宗形理央さん(安積中1年)は「大寺市長や三井田先生、大学生などと貴重な交流の機会を得ることができました。特に三井田先生が仰っていた『問題を作る問題児になりなさい』という言葉は、学校では聞くことができない大切なアドバイスだと感じました。私は将来小学校の先生になりたいので、今回いただいたそうした経験や言葉を生かしていきたいです」と語った。
 なお成果物は今後、何らかの形で市民に公表する予定。
 「こどもの声を政策に」プロジェクトの一つである高校生ワークショップの最終回は10日午後4時45分からtetteで開かれる。