須賀川市6月議会一般質問最終日の18日、堂脇明奈議員、横田洋子議員、鈴木正勝議員、熊谷勝幸議員、大河内和彦副議長が登壇し、物価高騰やちょこすか、鳥獣被害などに関する質問をし、大寺正晃市長や永瀬功一教育長、関係部長らが答弁した。
生活保護の現状が明らかに
【堂脇明奈議員】
生活保護制度、住環境、学校運営と教職員の働き方について質問した。
生活保護は令和6年度が申請81件で保護率0・87%、保護世帯数は509世帯。7年度は申請86件で保護率0・86%、保護世帯数は508世帯。全体の約55%が高齢者世帯で、約15%が障がい者世帯となっている。近年は申請より廃止件数が多く、保護世帯数はやや減少傾向にある。
申請時の扶養義務者に対する扶養照会は、扶養義務の履行を期待できる民法上の親族に対して実施しているが、申請者の申し出でDV被害など配慮すべき事情も考慮したうえで照会先を決定している。また所持金の確認は申請者自身に把握している手持ち金などの資産を申告してもらい、申請受理後には金融機関に預貯金調査を行っている。
金銭管理支援は生活保護ケースワーカーの定期的な訪問指導や社会福祉協議会の安心サポート事業の活用で支援している。代理納付は賃貸住宅の家賃や上下水道などの公共料金の支払いを、受給者の同意の上で行う。
令和7年度の就労や稼働収入増加を理由とする生活保護廃止は7世帯12人で、稼働収入の増加に伴い、本来であれば支給した保護費の返還を求めるケースに対し、返還を免除することで自立の後押しをするなどに配慮している。
教職員の配置について、今年度は市内小中学校、義務教育学校のいずれも定数に欠員はない。少人数教育のための加配教員は1人欠員となっている。
物価高騰への支援を国に要請
【横田洋子議員】
物価高騰と品不足が与える影響と対応、木造住宅耐震改修助成事業の補助制度、高齢者事業、学校適応指導事業に関して質した。
市庁舎管理において、物価高騰など中東情勢の影響は現れていない。本庁舎管理は複数ある庁舎管理業務を包括管理業務委託とすることや、燃料の単価契約などを実施することでスケールメリットを活かしたコスト削減を行っている。業務に支障をきたさないよう、冷暖房時間やみんなのスクエア、ウルトラフロアの開放時間の短縮、照明範囲の抑制などランニングコストの削減に努めている。
庁舎管理費の縮減については、今まで進めてきたコスト削減策に加え、庁舎管理委託業務の見直しを含め、費用削減に努めていく考えである。
大寺市長は、今後も物価高騰や品不足の長期化を踏まえ、国や県の交付金などを活用しながら、市民生活や地域経済への影響を軽減するための支援策を検討していくと述べた。支援にあたっては商工会議所やJAなどの関係機関と連携しながら、地域や業種ごとの実情を把握し、効果的な支援につなげる。なお、今月6日に東北市長会の県代表として国の各省庁を訪ね、中小企業や小規模事業者等に対する継続的な資金繰り対策や、各種給付金などの支援を求めたと報告した。
市の要支援・要介護の認定率は約18・7%でほぼ横ばいとなっており、県内他市と比べて低い水準となっている。しかし、80歳以上高齢者の増加に伴い、今後上昇が見込まれる。
ちょこすかの横展開を視野
【鈴木正勝議員】
市民の移動手段確保に向けた政策、地域の防災・減災対策、指定ごみ袋制度導入とライスレジン製品の活用を質問した。
長沼・岩瀬地域で運行するAIオンデマンド交通「ちょこすか」は過疎対策事業に位置づけられている。そのため大寺市長は、過疎地域エリア内での移動需要への対応とし、市街地には路線バスで接続することとしており、今後は「ちょこすか」へのニーズを把握・検証し、既存の交通手段との最適な連携を行っていく考えを示した。運行エリア拡大の可能性は慎重に検討し、結果を踏まえ、横展開につなげていくとした。
また今後の地域輸送資源の連携、活用法に関し、移動需要を集約するマルチ送迎(乗合送迎)などの交通サービスの検討は、公的負担の抑制につながるため、持続可能な交通形態の再構築に必要との考えを示した。
市一般廃棄物処理基本計画で、計画目標年度の令和9年度に市民1人1日あたりの家庭系ごみの排出量を600㌘、リサイクル率17%と設定している。令和6年度末の1人1日あたりの家庭系ごみ排出量は686㌘、リサイクル率は16・2%だった。
有料の指定ごみ袋導入に対し大寺市長は、ゴミの減量効果が期待される一方で、経済的な負担や指定外ゴミ袋を出すなどルール違反が増加する懸念があり、導入時期については市民に理解と協力を求めることとなるため、石油製品に関連した物価の変動や各自治体の導入状況を踏まえながら検討すると述べた。
昨年度の認定新規就農者6件
【熊谷勝幸議員】
農業施策について質問した。
市内の農業従事者平均年齢は2020年農林業センサスによると67・4歳。認定農業者数は高齢化に伴い減少傾向にあり、今年3月末時点で286件となった。
認定新規就農者は昨年度に6件認定し、各種支援を行っている。
新規就農者確保は市農業改善支援センターが県の農業経営就農支援センターと連携しながら、就農から経営発展まで一貫した支援に取り組む。定着支援は国の新規就農者育成総合対策事業や市独自の支援制度で、経営開始資金の助成や就農初期に必要な機械、施設の導入経費を支援している。
今後の農産物のブランド化と販路拡大について大寺市長は、JA夢みなみのトップセールスに参加し、首都圏や関西圏の主要市場でPRしており、特にキュウリは品質の高さと出荷作業の工夫、効率化で市場から高い評価を得ていると説明した。今後もトップセールスやふるさと納税返礼品で魅力発信や知名度向上につなげていく。農産物生産振興策はキュウリを中心に、国や県の補助事業を積極的に活用し、生産基盤の強化を図ると述べた。
7年度は農作物被害197万円
【大河内和彦副議長】
公契約、有害鳥獣対策、空き家対策について質した。
有害鳥獣による令和7年度の農作物被害額は197万円(前年度比12万8000円減)、捕獲数はツキノワグマ1頭(同1頭増)、イノシシ114頭(同1頭減)、ハクビシンやアライグマなどの小動物316頭(同99頭増)、カラス440羽(同206羽増)。
近年は農作物の被害額は減少傾向にあるが、被害額に含まれない自家消費を目的とした小規模な栽培作物の被害が多く、正確な被害状況の把握は困難となっている。また捕獲数はイノシシや小動物が増加傾向にある。
鳥獣被害対策実施隊は今月1日現在で81人、平均年齢は66歳。会員の約半数が70歳以上となっている。狩猟者登録数は第一種銃猟63件(ライフル銃を含めた登録は20件)、第二種0件、罠猟46件。
隊員の処遇改善として令和5年度に捕獲報酬、6年度に活動日当を増額した。罠の設置や見回りの日当は1日1500円。1頭あたりの捕獲報酬はツキノワグマ5万円、イノシシ2万5000円、小動物1万円、カラス1000円。
新規入隊者は令和6年度4人、7年度6人。狩猟免許や銃砲所持許可を新規に取得し、隊員となった人には経費を補助している。会員確保の課題は、潜在的な志望者の減少、時間的・経済的負担の大きさ、指導者不足等が挙げられた。
なお市では今年3月にセンサーカメラを導入し、ツキノワグマが目撃された付近に設置することで生息状況や出没傾向の把握に役立てている。





















