火曜コラム(紙面掲載 2026年4月21日)


魔法のカクテル

「こんばんは、マスター。」
 「いらっしゃいませ。いつも有難うございます。本日は何をお出ししましょうか。」
 「歓迎会で随分ビールは飲んできたし、爽やかなモヒートを貰おうかな。」
 「いいですね、新緑の季節はモヒートが最高ですからね。ではお作りします。」
 「マスター、そういえばモヒートってどこのカクテルなんだっけ?」
 「起源は16世紀の海賊の壊血病予防の飲み物ドラケだと言われてますね。ドラケが持ち込まれたのがキューバで、19世紀になりバカルディ社がホワイトラムを売り出す為に当時のドラケにモヒートの名前を冠してカクテルとしてレシピを広めたと言われています。」
 「そうか、海賊船での役割としてはジンと同じく最初は薬だったんだね。ラムで滋養強壮、ライムのビタミンCで壊血病対策か。歴史があるのは面白いね。」
 「どうぞ、お待たせしました。モヒートです。」
 「いただきます…。うん!やっぱり爽やかで美味いね、本当に良いレシピだよ。」
 「因みにカクテル名のモヒートの由来は諸説ありますが、一番面白い説はブードゥー教の『魔法』って意味の言葉を付けた説なんですよ。」
 「病気を防ぐ薬として飲まれていたから、当時はまさに魔法の様な飲み物だと思われていたんだろうね。」
 「そうですね。でもバーテンダーとすれば魔法にかかった位に気持ち良く酔えてしまう程の美味しさだったとそう思いたいですね。500年前に生まれ脈々と現代にまで生き残った傑作レシピですからね。」
 スギ花粉も収まり始め、散歩が楽しい新緑の季節になりました。最も爽やかな気分になれる魔法のカクテルを、この季節に味わってみてはいかがでしょう。