コイの須賀川市内養殖を検討 阿武隈川漁業協同組合須賀川支部 組織の維持を見据え


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    組織の維持へ意見を交わす役員たち

 阿武隈川漁業協同組合須賀川支部の総代役員会議は2日、西川の釣仙郷で開かれ、今年度事業計画などを話し合った。同支部は須賀川・岩瀬地方で毎年魚の放流を行っているが、物価高騰で買い付ける魚も価格が上がっているため、持続可能な組織体制の維持を見据え、コイの市内養殖を検討していく方針を固めた。
 鈴木裕支部長や総代、事務局ら8人が出席した。
 同支部は原発事故後、休漁や放流等の事業休止を数年にわたり余儀なくされ、組合員の新規加入もままならず124人までに減少した。また組合員の高齢化も進行している。
 組織の維持を目指し、3年の間に組合員の倍増や遊漁者の漁場利用促進を目指す。
 また地域住民や将来を担う子どもたちへの環境教育と河川愛護啓発等も進め、鈴木支部長を先頭にこれまでのノウハウを活用し、地域に還元し、組合活動への理解浸透を図る。
 そのほか阿武隈川緊急治水対策プロジェクトに伴う遊水地整備や、釈迦堂川流域の特定都市河川指定に伴う水害対策による河川や生態系への影響について、状況を見極めながら対応を検討する必要があると話し合った。
 今年度から当面の間は工事などの影響が少ない滑川流域に集中して放流し、漁業者に喜ばれ、遊漁者に楽しんでもらえる漁場づくりを進める。
 コイの養殖など支部の方針は今月27日に福島市で開かれる組合総代会で審議する。決定すれば、養殖場の検討や整備などを進め、早ければ来年5月の採卵を目指すという。
 なお会場となった釣仙郷にはハス畑があり、出席者たちは新緑の風を感じながらより良い将来へ前向きに意見を交わした。
 今年度の放流予定数量は次の通り。
 コイ175㌔、アユ60㌔、ウグイ100㌔、イワナ4920尾、ヤマメ5700尾、ワカサギ200万粒、ウナギ2㌔